韓・尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が去る3日の夜、非常戒厳令を宣布する中、戒厳司令部が専攻医など医療従事者に対し48時間以内の職場復帰を命じたとして、医療界では強い反発が起きている。
ソウル医大・ソウル大病院教授協議会の非常対策委員会は4日、声明を発表した。その内容は「辞職した医療関係者は前職場との契約が終了しているため『ストライキ中、または現場離脱』には該当せず、そのため当項目内容とは無関係である」と指摘するものであった。さらに「民主主義を脅かすような戒厳宣布による混乱した状況の中でも、我々医療関係者は患者の健康を守り、専攻医を含む医療関係者の権利を擁護する」と明らかにした。
大韓専攻医協議会のパク・ダン非常対策委員長も、Facebookを通じて「尹錫悦大統領の反民主的な行為に憤りを感じる」とし「非常戒厳によって罪のない国民たちを傷つけるような事態が発生した場合、医師として最善を尽くし治療を行う予定だ」と述べたという。
大韓医師協会の広報担当であるチェ・アンナさんは、記者たちにメッセージを送り「戒厳司令部布告第1号で定められている『専攻医を含むストライキ中の医療関係者』への勤務命令に関し、辞職した専攻医でストライキ中の者はいない」と説明した。そして「混乱した状況や国民たちの不安を解消するために、医療現場は戒厳下でも通常診療を行うつもりである」と強調した。
人道主義実践医師協議会も声明を発表し「非常戒厳の宣布は、民主主義と生存権を根底から否定する行為であり、不当な権力を暴力を振るってでも守ろうとする卑劣な行為である」と批判した。また「尹錫悦政権の非常戒厳を拒否する。尹錫悦は即刻退陣せよ」と要求した。
専攻医とは、医師免許取得後、研修病院で専門医資格取得のための研修を受けるインターンやレジデントのことを言い、大半の専攻医は政府の医大定員増加発表以降、研修病院を辞めた状態である。
保健福祉部によると、2日午前11時時点で211ヵ所の研修病院の専攻医1万3531人のうち、出勤者はわずか1171人(8.7%)だったという。そのため、親切病院へと転職した専攻医らは復帰の是非などをめぐり混乱状態に陥っているのだ。
戒厳司令部は3日、布告第1号で「専攻医を含むストライキ中、または医療現場を離脱したすべての医療関係者は48時間以内に本務に復帰し、誠実に勤務せよ。違反者は、戒厳法により処罰する」と明らかにした。
さらに「布告令の違反者に対しては、大韓民国戒厳法第9条により、令状なしでの逮捕・拘禁・押収捜索が可能であり、戒厳法第14条により処罰する」と付け加えた。
尹錫悦大統領は4日午前、大統領府で緊急の国民向け談話発表を通じ、非常戒厳の解除を宣布したとされている。
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