今年5月、タイ・パタヤで発生したドラム缶殺人事件の被疑者に対し、検察が重刑を求刑したことで、事件の残虐な全貌がさらに明らかになった。
17日、昌原(チャンウォン)地裁刑事4部(キム・インチェク部長判事)の審理で行われた結審公判において、検察は20代の被告Cに死刑および電子監視装置15年装着命令、保護観察命令を求刑した。30代の被告Dには無期懲役と同様の命令を、20代の被告Aには無期懲役、電子監視装置15年装着命令、保護観察命令をそれぞれ求めた。
検察は「被害者の死亡によって取り返しのつかない被害が発生し、被告人たちの行為には厳しい処罰が必要である」と述べた。また「強盗殺人は法定刑が死刑または無期懲役と規定される重大犯罪であり、特にCは被害者の遺体を損壊し、家族を脅迫するなど極めて悪質な行為を行った」と強調した。
事件の発端は5月3日、タイ・バンコクのクラブで起きた。被疑者たちはカカオトークのオープンチャットを通じて犯行対象を探し、経済的に余裕があると見られる30代の韓国人観光客Bを標的に定めた。その後、クラブで被害者Bに睡眠薬を混ぜた酒を飲ませ、車に乗せた。しかし被害者が眠らなかったため、首を絞め、顔を殴るなど暴行を加え、最終的に死亡させた。検察の調査によれば、被害者は「血液循環系および呼吸不全」によって死亡したことが確認された。
被害者を殺害後、被疑者たちは事前に予約していた宿泊施設へ遺体を運搬。Cは遺体を車に載せる役割を担い、共犯のAとDは犯行の隠蔽のため被害者の遺体を損壊した。その後、遺体をセメントと共にドラム缶に入れ、パタヤの貯水池に遺棄した。
犯行はここで終わらず、被疑者たちは被害者の携帯電話を利用して口座から370万ウォンを振り込ませた上、既に被害者を殺害していたにもかかわらず、家族に電話をかけ「1億ウォンを送金しなければ遺体を損壊し臓器を売る」と脅迫。このため恐喝罪も追加適用された。
検察は事件初期から警察と協力し、海外に滞在中の被疑者たちの身柄確保のため犯罪人引渡し手続きを進めた。カンボジアで逮捕されたA、ベトナムで検挙されたDは国内に送還され、国内に滞在していたCもデジタルフォレンジックや口座追跡で容疑が立証された。
主犯とされたCは結審公判で一部の犯行を否認し、「それぞれの罪を償うべきだ」と主張した。これに対し検察は「Cは遺体損壊や家族脅迫など犯行の残虐性と計画性において最も大きな責任がある」と指摘した。一方、Dは捜査や裁判過程で協力的だったが、逃亡を試みたことや犯行準備の緻密さが問題視された。Aは犯行への関与が比較的低い点が一部考慮された。
結審公判を見守った被害者遺族は、検察の求刑について「当然のことだ」と述べた。Cが犯行の一部を否認する姿には「最後まで責任を回避している」と涙ながらに憤った。
この事件の宣告公判は来年1月16日午後、昌原地裁で行われる予定である。
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