会社関係者もメンバーも全員が反対したが、代表が押し切り、伝説となる大成功を収めた韓国の楽曲があるという。

その楽曲こそが、ガールズグループ「Wonder Girls」の「Tell Me(テルミー)」だ。
■ 倒産寸前の会社を救った伝説の曲「Tell Me」

「Tell Me」は、2007年にリリースされたWonder Girlsの1stアルバム「The Wonder Years」のタイトル曲である。当時、Wonder Girlsは、パク・ジニョンが代表を務めるJYPエンターテインメント初のガールズグループだった。しかし、デビューしたばかりの新人アーティストであったため、知名度は低かったという。
さらに、当時のJYPエンターテインメントは経営難に陥っていた。昨年に放送されたKBS2のバラエティ番組「ザ・タンタラ」に出演したパク・ジニョンは、当時について「Wonder Girlsがデビューし、デビュー曲『Irony』で活動していた頃、会社の資金が底をつき、社員の給料を払えるのがあと2か月分しかないと言われた。ヒット曲を出さなければ倒産するかもしれないと思い、必死で作った曲が結果的に会社を救うことになった」と振り返り語った。
それほど「Tell Me」は、Wonder Girlsだけでなく、パク・ジニョン、さらには当時の世代の人々にとっても大きな意味を持つ楽曲といえるだろう。
当時「Tell Me」の人気は、韓国の音楽史においても屈指の社会現象を引き起こし、爆発的なブームを巻き起こした。特に「Tell Me」のポイント振り付けとして有名な「コーナーダンス」は、誰でも簡単に真似できるダンスとして大流行し、また中毒性があるとしてUCC(ユーザー作成コンテンツ)ブームの火付け役となった。
「Tell Me」はリリース直後、韓国最大の音源配信プラットフォーム「Melon」で20〜30位台を推移し、大きな注目を集めることはなかった。しかし、UCCブームに後押しされ、次第に順位を上げていき、ついには音源チャートで1位を獲得するまでに至ったという。各音楽番組でも1位を獲得し、Wonder Girlsを「国民的 ガールズグループ」へと押し上げる決定的な役割を果たした。

この時、特に話題になったメンバーはソヒだった。楽曲中「オモナ(和訳:あら)」という歌詞に合わせて手を口元に持っていく振り付けが広まり、ソヒの 知名度も一気に上昇した。
さらに、韓国の世論調査専門機関「韓国ギャラップ」が2007年に発表した「今年を輝かせた楽曲ランキング」で、Wonder Girlsの「Tell Me」がBIGBANGの「LIES」を抑えて1位を獲得するほど、その人気は圧倒的だったという。
■ 大ヒット曲…しかし、実は会社もメンバーも反対していた
このように韓国歌謡界に歴史を刻んだ「Tell Me」だが、実は意外な裏話があると言われている。「Tell Me」の発売前から、会社関係者やWonder Girlsのメンバーたちは、コンセプトや振り付け、メロディーがしっくりこないとして、繰り返し反対していたのだという。
当時の「Tell Me」のステージ映像を見てみると、主に蛍光色のレギンスにハイヒールという派手な衣装が目立っている。さらに、レトロ調のメイクやヘアスタイルが施されており、当時としてもかなり斬新なスタイルとして話題を呼んだ。
しかし、このように周囲の人々が皆反対したにもかかわらず、パク・ジニョンは「Wonder Girlsがヒット曲を出せなければ、会社が倒産するかもしれない」という切羽詰まった状況だったため、「Tell Me」のリリースを決断したのだ。その結果「Tell Me」は歴史的な大ヒットを記録し、JYPを現在の大手エンターテインメント企業へと成長させるきっかけとなった。

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