JTBC金曜ドラマ『優しい男の物語』は(演出:ソン・ヘソン、パク・ソンス、脚本:キム・ウンギョン、キム・ヒョソク、提供:SLL、制作:HYBEメディアコープ·TMEグループ)が29日に放送終了を迎えた。深みのあるメロディとダークな雰囲気が融合し、最終回まで視聴者に余韻を残す展開となったが、視聴率の壁を突破することはできなかった。最終回は全国ニールセンコリア基準で、13話が2.4%、14話が3.1%という結果に終わった。

これにより、俳優 イ・ドンウク は今年、連続して二作品で低調な成績となった。昨年5月放送のtvN『離婚保険』が最終回1.1%という数字を記録したのに続き、『優しい男の物語』も期待を裏切る結果で終了した。演技は高く評価されたが、業界内外で視聴率の低迷を残念に思う人が多い。
3%の壁を突破できなかった「イ・ドンウク流」ドラマ
『優しい男の物語』は初回で3.0%を記録し、無難なスタートを切った。しかし、途中で最低1.7%まで下がり、概ね2%台にとどまった。最終回直前に一時3%台に回復したものの、結局3%の壁を越えるには至らなかった。
これは今年初めにイ・ドンウクが出演した『離婚保険』と比べればやや改善されたが、いずれも期待には応えなかった。『離婚保険』は初回3.2%で始まったものの、第8話で視聴率が0%台に落ち込み、tvN月曜・火曜ドラマ史上最低の数字を記録し、最終回は1.1%で終了した。両作品ともイ・ドンウクの演技力は高く評価されたが、作品選びや企画力の課題が浮き彫りとなった。

OTT時代における視聴率の重み
専門家は、近年、地上波やケーブルドラマの視聴率が全体的に低下していると指摘している。OTTプラットフォームの台頭、視聴パターンの多様化、さらには競合作品の増加が、従来の視聴率環境を大きく変えている。それにもかかわらず、トップ俳優を起用した『優しい男の物語』が3%を超えなかったのは痛手といえる.
これまで「信頼できる俳優」として評価されてきたイ・ドンウクの存在が、今回の低迷により必ずしも視聴率に直結しない現実を浮き彫りにした。

最後まで深い余韻を残すも、結果は残念だった
本作は、三代にわたる不良一家の長男であり、やむを得ず不良の道を歩むパク・ソクチョル(イ・ドンウク)と、歌手を夢見る初恋のカン・ミヨン(イ・ソンギョン)のロマンスを軸に描かれている。アウトローのダークな雰囲気とロマンスの叙情性、さらに家族ドラマの温かみが融合されている。
最終回では、ソクチョルが自身の命を狙われた刺殺事件の真相に迫り、最終決戦に挑んだ。背後にいたオ・サンヨル(ハン・ジェヨン)との対決を経て、複雑に絡み合う過去を清算しようとする彼の奮闘は過酷で、最終的には屋上での対峙の際に警察の介入を受けて幕を下ろした。ソクチョルは懲役2年6か月の判決を受け収監され、ミヨンは変わらぬ想いを歌で伝えながら彼を待ち続けた。
出所後に再会した二人のシーンは、視聴者に強烈な印象を残した。「もし君がこの手紙を見るなら、僕は君と遠く離れるだろう」というソクチョルの言葉とともに流れる歌は、多くの視聴者の心に響いた。

俳優たちの熱演と視聴者の好評が冷めないうちに終了
作品は視聴率面で苦戦したが、俳優たちの演技は際立っていた。 イ・ドンウクは、疲れた不良の表情から初恋へ向かう純粋な表情まで、絶妙な演技でその魅力を伝えた。特に、ソンギョンとのロマンスは期待以上の相乗効果を生んだと評価されている。
視聴者からは「最終回で3%台に回復して良かった。見事な締めくくりだ」「 イ・ドンウクさんのおかげで最後まで見た」「ストーリーは残念だったが演技は最高」といった声が寄せられた。数字は期待に届かなかったものの、俳優の存在感と演技力は確実に記憶に刻まれた。

トップ俳優の連続低迷が投げかけるメッセージ
結局、『優しい男の物語』の終了は、様々なメッセージを残した。かつてはトップ俳優が視聴率を保証していた時代は終わり、企画、ストーリー、プラットフォーム戦略、そして視聴者との接点を重視する作品選びがこれまで以上に求められている。
OTTが主流となるドラマ市場では、従来の視聴率のみで作品の成否を判断するのは困難だ。しかし、3%の壁を突破できなかった結果は、厳しい現実を如実に物語っている。特に、連続して二作品で低迷したイ・ドンウクにとって、今後の作品選びには一層の慎重さが求められる。

『優しい男の物語』はダーク、ロマンス、家族ドラマの叙情性を融合した斬新な試みであったが、結果として大衆への影響力は限定的だった。最後まで余韻を残し、俳優たちの演技は好評を博したものの、視聴率は期待に応えるには至らなかった。
トップ俳優が視聴率の壁を救えなかった――「視聴率1%台への急落、寂しく退場した韓国ドラマ」という評価の中、本作はコンテンツあふれる時代における企画力と差別化戦略の重要性を改めて示す事例となるだろう。
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