釜山国際映画祭で観客の絶賛を呼んだ映画がある。

予約前から有名な映画もある一方、観覧前まで期待していなかったが、実際に鑑賞してみると面白い映画もあった。
釜山国際映画祭のホームページに掲載された短い紹介文と数枚のスチールカットだけで観覧する映画を選ぶのは、釜山国際映画祭ならではの楽しみである。
映画『ジェイ・ケリー』も公開後にさらに大きな反響を呼んでいる映画の一つである。
映画『ジェイ・ケリー』は、長年ハリウッドを支配してきたトップ俳優ジョージ・クルーニーと、コメディで非常に有名なアダム・サンドラーが主演を務め、親しみやすさを加えている。
演出はノア・バームバック監督が担当しており、彼はNetflix映画『マリッジ・ストーリー』で韓国映画ファンにも有名である。
Netflixオリジナル映画であるこの作品は、12月5日の公開を控えており、釜山国際映画祭では実に2か月半以上早く観覧できるということになる。

物語は、ハリウッドのスター俳優である「ジェイ・ケリー(ジョージ・クルーニー)」が、これまでキャリアのために後回しにしていた家族や仲間との時間を後悔し、娘のフランス旅行に同行するところから始まる。
この作品はNetflixという巨大な資本を背景に制作されただけあって、規模も相当である。作品内の背景はロードムービーの性格に沿い、主人公のジェイ・ケリーの足取りに合わせて次々に変わる。
『ジェイ・ケリー』はアメリカで始まり、フランスを経てイタリアに向かい(実際の撮影はニューヨークとロンドンで行われた)、彼が乗車した車両も別のセットとして構成された。
車両はジェイ・ケリーの記憶の保管庫として活用される。彼が車両を移動するたび、その車両は彼の人生で最も未練が残る瞬間へと彼を誘う。
旧友との疎遠、実らなかった縁、疎かにしてしまった家族との時間など、成功した俳優になる過程で手放さざるを得なかったものを振り返り、後悔する。

この作品の最も興味深い点は、共感を呼ぶ物語であるということだ。スター俳優である主人公は普通の人々とは一線を画す人生を歩んできたが、彼の後悔は観客から共感を呼び起こす。
特に、一生懸命生きてきたが、振り返ると周囲に誰もいないのではないかと恐れる気持ちは、ジェイ・ケリーのような中高年層が通常抱く不安と確実に重なる。
また、このジェイ・ケリーという人物は名前だけが変わっただけで、実際にはジョージ・クルーニーを代理するように見える部分も興味深い。実際、作品内ではジョージ・クルーニーが出演した映画でジェイ・ケリーのキャリアが示される。これは成功した人生の明暗をより具体的に描写し、物語のリアリティを増す。
釜山国際映画祭では、映画上映終了後に観客が拍手する文化がある。通常はエンディングクレジット終了後に拍手が始まるが、この作品が上映された館ではエンディングクレジットが流れ始めるや否や大きな拍手が続いた。

第82回ヴェネツィア国際映画祭の競争部門の招待作品である『ジェイ・ケリー』は、今回の釜山国際映画祭で先行上映される。
第30回釜山国際映画祭は25日まで開催される。
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