観客動員384万人を記録した映画『コンクリート・ユートピア』と同一世界観を共有する映画『コンクリート・マーケット』が、撮影から4年を経てついに劇場公開される。

当初、全7話構成のドラマとして企画された『コンクリート・マーケット』は、2021年11月にクランクインし撮影を終えた。しかし制作過程でロナ禍などが重なったことで公開が遅れ、最終的に劇場映画として方向転換した。
『コンクリート・マーケット』は、大地震の後に唯一残ったアパートを舞台に、生存を懸けて争う人々を描く。アパート内のファングンマーケットでは、現金の代わりに缶詰が通貨として機能し、食料・燃料・薬品などすべての物資が取引されるという設定だ。
ファングンマーケットを支配するのは、あらゆる情報と不正を握るパク・サンヨン会長(チョン・マンシク)だ。キム・テジン(ホン・ギョン)はパク・サンヨンの下で働き、缶詰の回収を担当する。
そこに外部から来たチェ・ヒロ(イ・ジェイン)が現れ、ファングンマーケットの秩序は揺らぎ始める。チェ・ヒロは缶詰を盗む目的で潜り込んだ際、パク・サンヨンの秘密を知ってしまう。キム・テジンとチェ・ヒロは異なる目的を抱えながらも取引関係を結び、パク・サンヨンの右腕であるパク・チョルミン(ユ・スビン)と対立することになる。
『コンクリート・マーケット』は『コンクリート・ユートピア』や『D.P. -脱走兵追跡官-』『地獄が呼んでいる』などを手掛けたクライマックス・スタジオが制作するポストアポカリプス世界観の作品だ。2023年公開の『コンクリート・ユートピア』、Netflix映画『バッドランド・ハンターズ』と世界観を共有し、大地震後のファングンアパートという同じ空間を背景に、独立した物語を描いている。
メガホンを取ったホン・ギウォン監督は「大地震後の人々の生活を扱うという点だけが共通するオリジナル作品であり、ファングンマーケットを中心とした独自の映画だ」と述べ「その側面を新しい視点の、まったく新しい映画として楽しんでほしい」と話した。
ホン監督は短編映画『タイレノール』で第41回ソウル独立映画祭にて注目を集めた人物で、孤立した空間で生存本能と取引関係がぶつかり合う緊迫した状況を鮮やかに描いたと評価されている。
撮影当時、ホン・ギョンとイ・ジェインは新鋭と呼ばれる若手俳優だったが、公開を待つ4年の間に両者とも存在感ある俳優へと成長した。ホン・ギョンはNetflix映画『グッドニュース』でグローバルな注目を浴び、イ・ジェインは主演映画『ハイファイブ』で189万人の観客を動員した。
イ・ジェインは最近行われた記者会見で「本当に久しぶりに映画館で自分の出演作を観たが、あまりに面白くて2時間があっという間だった。撮影した作品を観ながら自分でも驚くほど面白かった」と感想を明かした。
さらに「この映画が若い世代を捉えるやり方は、とても意味のあるものだと思う。便利な環境で生きてきた若者にとって、不意に襲ってくる出来事は災難になり得る。災難に直面した時、人それぞれ対応の仕方が違う。テジンのように誰かに頼ることもできるし、ヒロのように大人のように振る舞うこともできる。共感できる要素が多い作品だと感じた」と語った。
チョン・マンシクも「ポストアポカリプス、崩れた世界で生きる未成年たちの物語だ。崩れていない世界に生きる未成年も大変だということをよく知っている。決して楽ではないだろう。そうした世代に十分な共感を得られる作品だと思う。ぜひ家族そろって観てほしい」とコメントし、10代を中心とした物語であることを強調した。

3日に公開される『コンクリート・マーケット』は、当初ロッテシネマ単独公開として進められていたが、最終的に韓国全国の劇場で上映されることが決まった。
今年の韓国映画ラインナップを締めくくる作品で、同日にはハ・ジョンウ監督・主演の『上の階の人たち』も公開される。4年の年月を経てお披露目となる『コンクリート・マーケット』がどのような評価を得るのか、期待が集まっている。
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