
有名シェフのキム・ミンソンさんが運営するYouTubeチャンネル「イルタクマ」で、重さ200kgにもなる巨大マグロを解体する様子を収めた動画が公開され、話題を集めている。最近アップロードされた当動画では、キムさんが韓国の東海産の本マグロを捌いた後、自ら味見をして、そのおいしさを絶賛している姿が映し出されていた。

動画は、疲れた表情のキムさんが登場するところから始まる。彼によると、撮影前日の午後9時30分から翌朝まで、ノリャンジン水産市場で奮闘していたという。当初は300kgのマグロの競りに参加し損ねたものの、偶然にも状態の良い200kgの東海産本マグロが入荷し、優先購入権を得て購入したそうだ。そのマグロは全長2mを超え、重さは196kgもある巨大なものであった。
キムさんは、目やエラ、お腹の部位を押して張りのある状態を確認した上で「脂がのっている」と満足げな様子を見せた。また、彼は「マグロは部位ごとに味の特徴がはっきりしていて、サイズが大きくなるほど脂の量や食感が変わってくる」と説明した。
解体作業は非常に丁寧に行われた。キムさんは「マグロがあまりにも大きいため、厨房の床で捌くしかなかった」とし「重すぎて持ち上げられないので、部位ごとに切り分けながら進めていこうと思う」と述べた。まずは頭を外して心臓を取り出し「心臓が一番美味しいんですよ」と期待を込めた表情を見せた。続いて内臓を処理し、胃、頬肉、背肉など、使える部位を慎重に選んで行った。さらに「尾とヒレを見れば脂の量が分かる」とし、ほんのりピンク色がかかった尾の部分を見せながら説明した。腹側の尾から背中にかけては脂が半分以上を占め、腹身の部分は最高級部位の「大トロ」に分類し「深く包丁を入れすぎると身が潰れてしまうので注意が必要」と述べた。
また、キムさんは「脂の質と厚みが素晴らしい」と腹身のクオリティを称賛した。骨を半分に割って作業しやすいように整理し、力を二度に分けて入れながら身が崩れないよう丁寧に捌いていった。「昔は200kg級のマグロも平気で捌けたのだが、年を取ったせいか最近は大変だ」と笑いながら語ったりもした。解体後は、中トロ、大トロ、へそ肉、カマトロ(腹身の端部分)などに細かく部位を分けていった。
マグロの刺身に対する評価は、絶賛の一言に尽きた。キムさんは「いくら食べても飽きない味」とし「部位ごとの味の違いがはっきりしている」と強調した。さらに「天然ものなので、酸味までしっかり感じられる」と述べた。
大トロについては、具体的に「脂が口の中で弾けるように広がり、柔らかく濃厚な肉質が感じられる」と表現した。背身については「さっぱりしているが、噛むほどに旨味が増してくる」と説明し、へそ肉については「脂と赤身のバランスが絶妙で、噛み応えがあって面白い」と評した。さらに、心臓を試食した際には「弾力があり、香ばしい味わいが強く残る」と、珍味として推奨した。
また、キムさんは生マグロと冷凍マグロの違いについても説明した。「10kgの生マグロは40kgの冷凍マグロに匹敵し、100kgの生マグロなら400kgの冷凍マグロと同等の味わいである」と述べ、生マグロの香ばしさと繊細な風味が圧倒的だと強調した。今回、自ら解体したマグロについては「血抜きがしっかりされていて生臭さがなく、非常にさっぱりとした味だった」と評価した。
お店のスタッフが「これまで食べたマグロの中で一番美味しい」と称賛すると、キムさんは「と畜と血抜きの工程がしっかりしていないと、マグロの味は引き出せない」と語った。
キムさんは「『大きな魚は美味しい』という言葉は間違いではない」と述べながら、部位ごとの脂のノリや肉質の違いを視聴者に丁寧に説明した。
なお、マグロはサバ科に属する大型魚で、正式名称は「本マグロ」である。最大で体長は3m、体重は500kgにまで成長する。温帯から熱帯の海域に広く分布しており、韓国では東海、南海、済州島近海で主に漁獲されるという。主なエサはイワシやカタクチイワシ、イカなどで、産卵期は6〜8月と知られている。200kg以上のマグロは、特に貴重な刺身用の高級食材として珍重されている。
コメント0