公開されると同時に、世界90か国以上で視聴ランキング1位を獲得し、グローバルヒットとなったNetflixドラマがある。従来1位を保っていた『イカゲーム』シーズン3を凌駕し、一気に頂点に立った。しかし、この勢いの中で韓国は例外となった。公開直後は韓国のトップ10に入ったが、数日後にチャートから消えた。

本作は、先月17日に全世界で公開されたアメリカ製犯罪ドラマ『大地の傷跡』だ。
世界中で大きな話題を呼んでいる一方、韓国では控えめな評価にとどまっている。本作はアメリカのヨセミテ国立公園を舞台に、国立公園管理局(ISB)所属の特殊捜査官カイル・ターナー(エリック・バナ)が女性の死亡事件を追い、その裏に隠された自らの過去とも向き合う犯罪スリラーだ。捜査劇を超え、人間の本性や制御困難な自然、残酷な真実を描いている。
サム・ニールが演じるベテラン捜査官「ポール・サウター」はターナーとともに事件の暗部を追い、緊張感あふれるシーンを展開する。人間ドラマの奥深さと壮大な自然を背景に、犯罪劇と心理劇が融合した本作は、R18+指定による残酷な描写と性的緊張感も強烈に表現された。

世界が熱狂する中、アジアではいまいちの評価を得ている。韓国をはじめ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、香港などの東南アジア諸国で『大地の傷跡』は大きな支持を得られていない。その理由は多岐にわたる。
まず、韓国の視聴者は韓国ドラマ、特にNetflixオリジナルのK-コンテンツへの愛着が強い。『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』『ムービング』『悪鬼』『未成年裁判』『ナインパズル』などのローカル作品が高評価を受け、常に上位に位置している。同時期にDisney+オリジナルシリーズ『パイン ならず者たち』も登場し、視聴者の関心が分散した。
さらに、『大地の傷跡』はアメリカ式のナショナルパークや連邦捜査官、広大な自然を描く物語であるため、自然保護区域や公園管理局の捜査という設定は、東アジアの視聴者にとってなじみが薄い。物語の緊張感や象徴性が、文化的背景の違いから受け入れられにくい可能性がある。

Netflixは地域ごとに推薦アルゴリズムが作動するため、韓国の利用者はK-コンテンツ中心の視聴パターンから、アメリカオリジナル作品がホーム画面に表示されにくい。その結果、利用者が自ら検索しない限り、該当作品に触れる機会は少ない。
韓国の視聴者は、人物重視や情緒豊かな物語に慣れている。一方、『大地の傷跡』は事件を中心とした展開、落ち着いたリズム、そして抽象的なテーマが前面に出るため、評価が分かれる要因となっている。
『イカゲーム』シリーズのように、韓国発で世界を席巻するコンテンツもあるが、一方で『大地の傷跡』のように世界的なヒット作が韓国では存在感が薄いケースもある。

コメント0