劇場街を勢いよく席巻する映画がある。公s開2週目にして、今年公開作全体の興行TOP5に入った。

その作品は『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』である。
今年最速の興行記録
ヒットは公開前から予告されていた。映画館入場券統合電算網によれば、事前観客数は今年最多の80万人を超えた。公開初日には早くも100万人を突破、5日目で200万人、10日目で300万人を突破した。3日基準のリアルタイム予約率順位では『ゾンビになってしまった私の娘』『F1/エフワン』を抑えて1位を維持中である。
公開12日目の2日、累計観客数は324万人を突破し、『ミッキー17』(301万人)を上回って今年公開作全体のボックスオフィス5位に浮上した。その上位は1位から『ゾンビになってしまった私の娘』『F1/エフワン』『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』『野党』の順である。
このままなら3位圏内は確実視される。『野党』『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の累計観客数は各337万人、339万人で、『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』との差は約15万人程度しかない。
歴代国内公開日本アニメの興行成績でも『ハウルの動く城』を超え4位に浮上した。『無限城編』より上に位置する作品は『すずめの戸締まり』『THE FIRST SLAM DUNK』『君の名は。』のみである。『君の名は。』の累計観客数は393万人で、順位が入れ替わる可能性もある。

本作の特筆すべき点は、テレビシリーズを視聴しなければ物語の全貌が把握できないにもかかわらず、高い興行収入を記録した点にある。一方、『THE FIRST SLAM DUNK』は原作の知名度から、事前知識がなくても十分楽しめる作品だ。
グッズにはプレミア価格
記録的なヒットには20代観客の貢献が大きい。CGVによれば、2日基準の年代別予約分布で20代は42%と全体の半分近くを占め、次いで30代25%、40代17%、10代10%、50代6%となった。40代の比率が10代より高いのは、上映等級が15歳以上であり、保護者として親が同行したためと分析される。
映画館は10〜20代を惹きつけるため、関連グッズの配布に力を入れている。アニメ観客の中には、グッズのデザインが良ければそれを得るために複数回鑑賞する人々も少なくない。
CGVはIMAXポスターやアコーディオンはがきを用意し、3週目特典としてフォトカードセットを配布予定。ロッテシネマはアートカードとフォトカードセットを、メガボックスはチケットカードとポスターを特典にした。さらに「鬼滅の刃 無限城編コンボ」メニューを注文すると関連キーホルダーも配布される。こうしたグッズは入手困難で、中古取引サイトでは高値で売買されている。

観客満足度9.05点
観客評価も高い。ネイバー実観客スコア9.05、CGVエッグ指数96%を記録。特にアクションシーンは絶賛されている。上映時間2時間35分の大半がアクションで構成され、背景となる「無限城」が絶えず変化する構造のため、視覚的楽しさが尽きない。隙間なく埋められた華麗な作画と音楽は現代アニメーションの精髄だと評価される。
最大の功労者は日本アニメ制作会社ufotableである。同社はTVシリーズと前作『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』に続き今回も制作を担当。卓越した映像美により、「鬼滅の刃」の人気は原作以上にufotableの功績が大きいという声もある。
個性豊かなキャラクターと感動的なストーリーも強みである。特に敵役・上弦の鬼・猗窩座(アカザ)の過去は涙を誘うとの反応が目立つ。

日本では歴代興収3位
先行公開された日本では、歴代ボックスオフィス記録を塗り替えている。公開38日で『タイタニック』を抜き歴代3位となり、45日目には累計観客数2,110万人、興行収入299.8億円を記録した。
『無限城編』は三部作の第1作として企画されており、残る2部と3部も大ヒットが期待されている。
原作漫画『鬼滅の刃』は吾峠呼世晴による作品。主人公・竈門炭治郎は、鬼に家族を奪われ、妹・禰豆子までも鬼となる。彼は妹を人間に戻すため、鬼の始祖・鬼舞辻無惨を討つべく鬼殺隊に入隊。仲間の我妻善逸、嘴平伊之助と共に鬼と戦う。
『無限城編』は原作の最終章であり、鬼殺隊の柱たちと炭治郎一行が鬼の本拠・無限城へ引き込まれ、無惨直属の上弦の鬼たちと対峙する。
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