歌手キム・ゴンモが長い沈黙を破り、ファンの前に再び現れた。
性暴力疑惑で活動を中断して以来、6年ぶりに全国ツアーコンサートを開催し、歌謡界への復帰を果たした。
27日、釜山水営区(プサン・スヨング)のKBSホールで行われた「25-26 キム・ゴンモ ライブツアー KIM GUN MO」の初公演は大きな話題となった。2019年の放送降板以来、大衆の前に立つのは初めてで、観客の関心を一身体で集めた。
◆ 空白を口にしながら登場した歌手
公演はビデオレターで幕を開けた。スクリーン越しのキム・ゴンモは「元気にしてた?会いたかった。僕の時間は白い余白だったのか、それとも深い闇だったのか」と、長い沈黙を率直に告白した。その後、舞台に上がった彼は「結婚もして離婚も経験してきた」と語り、個人的な波乱を経た上で再びマイクを握る姿に、観客からは大きな歓声が上がった。

◆ ヒット曲に彩られた120分
舞台上のキム・ゴンモは、今なお力強さを保っていた。「言い訳」、「スピード」、「ソウルの月」、「眠れない夜、雨は降って」など、90年代と2000年代を代表するヒット曲が次々と披露され、全部で27曲をこなし、ランニングタイムは120分を大きく上回った。お馴染みの楽曲が流れるたび、観客は一体となって合唱し、長い年月を経て再会したファンの情熱が会場を満たした。
◆ 舞台上に溢れる涙
公演の締めくくりでは、キム・ゴンモが感情を抑えきれず、最後の曲の後、観客に向かって深々とお辞儀をし、しばらくの間、舞台上に立ち尽くすほど涙を流した。彼に贈られた歓声と拍手は長く続き、彼もファンとの再会を心から感じ取っているようだった。制作会社の関係者は、「キム・ゴンモは舞台から離れていたが、一瞬たりとも音楽を手放していなかった。今回の舞台は、彼がどれほど音楽を恋しく思っていたかを如実に示すものだ」と語った。
◆ 疑惑と無罪、そして破局へ
キム・ゴンモの沈黙は決して短いものではなかった。2016年、ソウル江南区論峴洞(カンナムグ・ノニョンドン )の酒場で、風俗店の女性A氏に対する性暴力の疑いで2019年に訴えられ、その後すべての活動を中断し、放送からも姿を消した。しかし、2021年に検察が無罪処分を下し、事件は終結したものの、活動再開は容易ではなかった。私生活においても順風満帆ではなかった。2019年10月、ピアニストのチャン・ジヨン氏と婚姻届を提出し夫婦となったが、結婚3年目の2022年に離婚を経験した。今回の復帰舞台で彼が「結婚もして離婚もした」と短く触れたのは、過ぎ去った時間を凝縮して表現したものだった。

◆ 再び始まる全国ツアー
公演は釜山で始動したが、今後の旅路は長い。制作会社によれば、キム・ゴンモは10月に大邱(テグ)、11月に水原(スウォン)、12月に大田(テジョン)と仁川(インチョン)を訪れ、来年初めにソウルでツアーの大団円を迎える予定だ。舞台上で彼は「今回は休符ではなく、句点を打つ」と語り、全国ツアー完遂への固い決意を示した。これは単なるカムバック公演ではなく、再び舞台上で完全な音楽人としての地位を確立する決意が感じられるものだった。
◆ 復帰を見守る視線
キム・ゴンモの復帰は歓喜と論争が交錯する出来事となった。長年にわたり彼と共に歩んできたファンにとっては、思い出と感動を呼び覚ます舞台であった一方、過去の疑惑やその社会的波紋を忘れられない視線も存在した。しかし、彼が今なお韓国歌謡界にとって欠かせないヒット曲を持つ歌手であることは明白だ。今回の全国ツアーが彼にとって「再起の舞台」となるのか、あるいは新たな評価の分かれ道となるのかは、今後の動向に委ねられるだろう。
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