tvNの新土日ドラマ『テプン商事』は初放送を控え、熱い注目を集めている。前作『暴君のシェフ』が最高視聴率20%を突破し、シンドローム級の人気を博した中、そのバトンを受け継ぐ続編として期待が高まっている。放送前から俳優陣や時代背景、完成度の高いプロダクションが口コミで広まり、すでに「初放送前から話題のドラマ」として評価されている。

初放送は11日夜9時10分に放送される『テプン商事』は、1997年の韓国のIMF外貨危機を背景としている。あっという間に崩壊した経済の中、社員も資本も残っていない貿易会社の社長に新任となったある男の奮闘と成長を描いている。主人公のカン・テプン(イ・ジュノ)は、IMFという巨大な嵐の中でも諦めることなく「私たち」の価値を守りながら真の商社マンへと成長していく。
tvNは今回の作品について「特別な英雄譚ではなく、危機の中でも互いに支え合い生き抜いた普通の人々の物語」と紹介している。「テプン商事」という名前のもと、さまざまな個性を持つ人物たちが集い連帯し、互いの空席を埋める温かな仲間愛がこのドラマの核心となっている。
イ・ジュノが演じるカン・テプンは、IMF以前は狎鴎亭(アックジョン)で成功を収め、青春を謳歌していた。ジュリアナナイトで踊り、「ジョルジオアルマーニ」と叫んでいた彼が、ある朝突然倒産の奈落に落ち、人生が一変する。友人のユンソン(ヤン・ビョンヨル)は夜逃げをし、父が26年間築き上げた「テプン商事」は崖っぷちに追い込まれる。結局「社長の息子」から新入社員に転落した彼は、ファックスを電話のように扱う初心者ながら、挫折に屈せず挑戦で危機を乗り越えていく。

カン・テプンの傍には、IMF時代を共に耐え抜いた仲間たちがいる。開国の立役者であるキャリアウーマンのチャ・ソンテク(キム・ジェファ)、自称エースのコ・マジン(イ・チャンフン)、蘭を愛するク・ミョングァン(キム・ソンイル)、X世代を代表するペ・ソンジュン(イ・サンジン)、そして経理のオ・ミソン(キム・ミンハ)まで。完璧ではない彼らが集い、互いの空席を埋め合う「チーム」の力がドラマの最大の魅力である。「仕事は一人で成し遂げるものではなく、人が必要だ」というセリフのように、『テプン商事』は連帯と希望のメッセージを込めている。
先に公開された団体ポスターも話題となった。机の上には散乱する書類と古びた事務機器、色褪せたオフィスが1997年の空気をそのまま映し出している。しかし、その中の人々は諦めることなく、それぞれの場所で忙しく動いている。「1997年、再び立ち上がる私たちの物語」というキャッチコピーは、絶望の中でも再起を果たそうとする普通の人々の意思を象徴している。
二人の主人公のケミストリーも注目のポイントだ。行動派のカン・テプンと論理派のオ・ミソンは、IMFという激しい波の中で互いの絆を深め、新たなシナジーを生み出していく。
特に、ドラマは当時の時代的雰囲気を完璧に再現している。ナイトクラブ、貿易商社のオフィス、放送局はもちろん、ポケットベル、シティフォン、デニムファッション、ブリッジヘアなど韓国の90年代のディテールが生き生きと描かれている。単なるレトロ感にとどまらず、その時代を実際に生きたかのような臨場感を視聴者に提供することが期待される。
俳優のイ・ジュノとキム・ミンハは、放送前に本日の視聴者へ直接応援メッセージを送った。イ・ジュノは「時代と世代を超え、激動する現代を生きるすべての方々に応援の気持ちを送りたい」と述べ、「このドラマが、それぞれの場所で最善を尽くす皆さんに小さな慰めと励ましとなれば嬉しい」と語った。

キム・ミンハも「本当に暗く先に進めないと感じる時でも、最終的には光が現れる。孤独ではないということを心に留めてほしい」と述べ、「その思いを込めて演技した。真心が視聴者に届くことを願っている」と語った。
『テプン商事』は、華やかな見どころよりも、人と人との温もり、そして危機を乗り越えた連帯の力を描く。1997年のIMFに耐え抜いた普通の人々の生存記であり、現代を生きる私たち全員の物語である。「視聴率20%シンドローム」を記録した前作のバトンを受け継ぐ準備が整った『テプン商事』が、再びtvNの週末ホームドラマを制圧できるか、期待が高まっている。

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