日本で1,200万人の観客を動員し、実写映画歴代2位という異例の記録を打ち立てた映画『国宝』が韓国での公開と同時に強い興行の兆しを見せている。在日韓国人の李相日監督が演出した作品として注目を集めてきた『国宝』は、韓国での公開初日に9,570人の観客を動員し、韓国のボックスオフィス4位に入るという順調なスタートを切った。

公開3日目である11月21日時点で『国宝』の累計観客動員数は2万人に達した。『国宝』の公開初日の座席販売率は10.6%で、最近韓国で興行に成功した日本の実写映画をすべて上回った。ヨン・サンホ監督の100万人観客突破作『顔』(8.1%)、是枝裕和監督の『怪物』(9.8%)、日本で今年最高の興行実写作とされる映画『8番出口』(8.1%)よりも高い数字だ。
国内でも公開初週より2週目、3週目の観客動員数が増える「逆走現象」を見せた作品であることが知られ、韓国でも口コミの拡散可能性が高まっている。
韓国観客の評価は非常に高い水準だ。『国宝』はこの日時点で韓国のポータルサイト「NAVER」の実観客評価は9.01点、韓国の映画館「CGV」のゴールデンエッグ指数は96%、映画館「ロッテシネマ」の評価では9.1点、映画館「MEGA BOX」の評価では9.0点を記録した。最近の公開作の中では珍しく高評価である。公開直後に上がったレビューでも、繊細な演技と緻密な演出、独特な物語構造に対する好評が続いている。
国内では102日間で1,000万人の観客を動員…23年ぶりに登場した実写映画の興行

『国宝』は今年5月にカンヌ国際映画祭監督週間に招待された後、国内では6月に公開され、102日間で累計観客1,000万人の観客動員数を突破した。1,200万人を超え、日本実写映画歴代興行2位に躍り出た。これは2003年に公開された映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』以来約23年ぶりの記録だ。
興行収入は約170億円とされており、これは実写映画としては異例の水準だ。国内の映画界は伝統的にアニメーションと漫画を原作とした劇場版映画が興行の中心であるため、純粋な実写映画が1,000万人以上の観客を記録したケースは非常に稀だ。
映画『国宝』、どんな物語?
『国宝』は伝統芸能「歌舞伎」を題材にした作品だ。特に女性役を演じる男性俳優を意味する「女形」を中心に、芸術の頂点に達するためにお互いのことを超えなければならなかった二人の男の生涯を描いている。

歌舞伎名門家の後継者「大垣俊介」と歌舞伎の世界に異邦人として飛び込んだ天才「立花喜久雄」が国宝の境地に達するためにぶつかり合いながら成長する構造だ。二人の熾烈な競争、技術・感情の変化、舞台裏の生活などが長い呼吸で描写される。
作品は吉田修一作家の原作小説『国宝』を映画化したもので、舞台芸術の身体性、芸術家の執着、天才性と孤独などのテーマが精緻に扱われている。
在日韓国人監督である李相日の視点
『国宝』を演出した李監督は在日韓国人3世で、日本で生まれ育ち、日本文化と芸術を身をもって体感してきた人物だ。彼は歌舞伎のような日本の伝統芸能を深く再現できた理由について、「日本と韓国の境界を経験した人間として、両国の文化に対する距離感と没入を同時に持っている」と説明した。
監督のアイデンティティは劇中の異邦人である喜久雄の物語と似ており、作品の解釈にも影響を与えたと評価されている。

韓国で興行の可能性…過去の日本実写映画の流れと比較
最近、韓国で公開された実写映画『怪物』や『8番出口』など、一部の作品で興行の成功ケースが見られるが、ほとんどがアニメーション中心の興行構造が維持されるのが一般的だ。しかし『国宝』の場合、次の要因から韓国でも成功する余地が言及されている。高い実観客の評価、初週のチケット販売率の優位性、日本の興行データに基づく期待感、原作・伝統芸能素材で構成された安定したストーリー構造などが韓国での興行のポイントとして予想されている。国内で見られた口コミ中心である「2〜3週目の興行成績上昇」が韓国でも観測される可能性があるという点も特徴的だ。
『国宝』興行の意味

『国宝』は国内映画界で伝統芸能を題材にした映画が1,000万人の観客を動員した稀な事例を作り出した。国内実写映画歴代興行2位という記録は、大衆文化消費の流れに変化の兆しとして評価されている。特に2026年のアカデミー賞国際長編映画賞部門出品作に選ばれ、好評が海外に拡大続ける見込みだ。
韓国でも公開初日から高いチケット販売率と観覧評価を記録し、安定したスタートを切った。二人の男の芸術と競争を長い呼吸で捉えた作品構造のおかげで、劇場観覧体験自体に対する満足度が高い傾向にある。
『国宝』は、韓国全土の映画館で上映中である。伝統芸能、競争物語、実写映画の美的要素が強い作品として評価されており、公開以降の追加興行の推移への関心も続いている。
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