tvNの新ドラマ『オッサンな恋愛』が主演キャストを確定し、オカルトロマンス作品として本格始動した。ソン・イェジンとイ・ミンギが主演した2011年公開の同名映画を原作とする本作は、幽霊が見える財閥令嬢と原則主義の検事という異色の組み合わせが共に事件に向き合う姿を軸に、コメディ・スリル・ロマンスを同時に狙う作品だ。

27日、tvN は新ドラマ『オッサンな恋愛』の主演に女優パク・ウンビンと俳優ヤン・セジョンを起用したと発表した。
パク・ウンビンは、大手財閥の令嬢でホテル代表のチョン・ヨリを演じる。美貌・財力・能力を全て備えた完璧な日常の裏に「幽霊が見える」という秘密を抱えた人物で、思いがけない霊の介入によって揺らぐ内面を繊細に表現することが期待されている。
ヤン・セジョンはエース検事のマ・ガンウクを演じる。卓越した体力と冷静な判断力、揺るぎない正義感を持つ完成型の検事で、原則を命のように守り、不義の前では一歩も退かない。事件の核心を執拗に追う強さと、科学捜査に長けた感覚で物語の推進力を担う。
二人は偶然のように始まる奇妙なつながりの中で互いの生活に入り込み、誰も予想できなかった関係を築いていく。幽霊が見えるにもかかわらず怖がらないチョン・ヨリの力と、事件解決に本気で向き合うマ・ガンウクの直感が重なり、捜査と除霊を行き来する二人の共同作業がジャンルの面白さとケミストリーを同時に引き上げると注目されている。
制作陣は「『オッサンな恋愛』は幽霊が見えるが怖がらない女性と、彼女をきっかけに思いがけない世界と向き合うことになる男性のホラー克服ロマンス」とし「チョン・ヨリの神秘的な能力とマ・ガンウクの科学捜査本能が噛み合い、爽快なカタルシスを届ける」と語った。原作映画の魅力を現代的な感性で拡張し、刺激的な展開と豊かな見どころを提示していく構えだ。
パク・ウンビンとヤン・セジョンの組み合わせに期待が集まるtvN『オッサンな恋愛』は、2026年に初放送される。

オカルトジャンルとは
オカルトとは本来「隠されたもの、秘められた領域」を意味する。今日、一般的に思い浮かべられる幽霊や怪異は、その広い概念の一部にすぎない。オカルトは、人間が容易に理解できない世界や、目に見えない力、説明不可能な現象を探求する文化的流れを指す。したがって単なる迷信や怪談よりも広い意味を持つ。
このジャンルが文化の中で明確に姿を見せ始めたのは文学からだった。古代の錬金術や秘教的知識の伝統など、神秘的な世界を扱う記録は古くから存在したが、近代以降、作家たちがこれを新しい手法で取り込み、19世紀から20世紀の文学では理性では説明できない存在や事件を描いた作品が注目された。「見えない世界」を日常と自然に接続し、読者へ衝撃を与えた作品群を通じて、オカルトは文学における重要な表現手法として定着した。
その後、オカルトは映画という媒体と出会い、さらに大衆化した。オカルト映画は怪物や突然の驚かせ効果に依存する従来のホラーとは異なり「見えない何か」の気配による緊張感を重視する。悪霊、儀式、憑依といったモチーフが頻繁に登場するのもそのためだ。観客は画面に姿を見せない存在の気配によって恐怖を感じ、その不確かさが物語を牽引する力になる。
韓国でも同様の傾向が見られる。研究によれば、韓国のオカルト作品は単に幽霊を描くのではなく、現代社会の不安や理解できない恐怖を象徴的に扱う特徴がある。社会不安、関係の断絶、説明できない脅威を象徴的に表現し、オカルト要素を積極的に活用してきた。こうした流れは社会の変化とともに自然に変奏されてきた。
芸術分野ではさらに幅広くオカルト的想像力が取り入れられ、文学・映画・美術などさまざまな分野で「見えない世界」を表現するために象徴・比喩・非現実的なイメージが用いられてきた。20世紀の芸術運動では、オカルトを通じて現実と夢、意識と無意識の境界を描こうとする試みも盛んに行われた。
オカルトが今日まで消費され続ける理由は単純だ。人間は理解しきれない現象や説明できない感情「もしかしたら存在するかもしれない世界」への好奇心を捨てきれない。科学や技術が発展した現代でも、不確かな世界は想像力を刺激し、オカルトはその想像力を表現する有効な手段であり続ける。こうしてオカルトは恐怖を超え、人間の本能的な探求心や、現実の向こう側を見つめようとする意志を内包するジャンルとして位置づけられている。
オカルトは結局、隠された世界への人間の問いから始まる。その問いは時代が変わっても消えない。文学・映画・芸術の中で、オカルトが常に新しい形で登場し続ける理由もそこにある。見えない世界への好奇心がある限り、オカルトというジャンルは生き続け、文化の中に浸透し続けるだろう。
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