22人の犠牲者が出た京畿道(キョンギ道)華城市(ファソン市)アリセル火災事件唯一のラオス人女性の悲話が伝えられた。
24日の午前10時31分頃、京畿道華城市西新面(ソシンミョン)全谷里(チョンゴクリ)に位置する一次電池メーカー、アリセルでリチウム電池の爆発により火災が発生した。
同日、身元が確認された外国人犠牲者18人のうち17人は中国人、1人はラオス人だった。唯一のラオス人だった犠牲者が韓国人の夫に残した最後の言葉が明かされ、多くの人々を悲しませている。
中央日報によると、ラオス国籍の犠牲者、スック・サワン・マラティップ(32)の夫、イ氏(51)は、最近脳血管手術を受ける前に妻と最後に交わした会話を挙げ、悲痛な心境を明らかにした。
イ氏が妻の事故の知らせを聞いたのは、妻と同じラオス出身の同僚からの連絡だった。彼は19日に脳血管手術を受け退院したその日、「工場に出勤した『チュイ』(スック・サワンの愛称)と連絡が取れない」ことを聞いた。
すぐに車を運転してやってきたイ氏の乱れた髪の毛には、手術後の白い包帯がまだ巻かれていた。彼は「妻がリチウム工場で働き始めて3〜4年ほどだ」とし、「生き残ったラオスの同僚がここにいるはずと言って来たが、顔が焼けて身元確認が全くできないと言われた」と目を赤くした。
イ氏は槐山郡(クェサン郡)で宿泊施設を運営している。彼は14年前スック・サワンと結婚し、11歳の娘を持ち、週末婚で過ごしてきたという。
イ氏は「娘はまだ母親が死んだ事実を知らない」とし、「先ほどラオスにいる義母から娘の生死を尋ねる電話が来た」と声を詰まらせた。
一方、韓国与野党の指導者たちは、この日火災現場を訪れ再発防止策の準備を求めた。黄宇燁(ファン・ウヨ)与党「国民の力」非常対策委員長、鄭占植(ジョン・ジョムシク)政策委議長、成一鍾(ソン・イルジョン)事務総長などは、事故当日の午後、現場を訪れ被害状況を確認した。朴贊大(パク・チャンデ)野党「共に民主党」の代表職務代行も火災現場を訪れ、状況を確認した。
シンハイミン駐韓中国大使もこの日、火災現場を訪れ遺族たちを慰めた。シンハイミン大使はこの事故について悲しみを表し、「自国側も状況を認識している」と述べた。
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