シーズン2制作のニュースが突然伝えられたドラマがある。

それは昨年8月、ENAで放送されたドラマ『YOUR HONOR~許されざる判事~』のことだ。
『YOUR HONOR~許されざる判事~』は放送初期には注目されなかった。初回視聴率は1.7%(全国基準、ニールセンコリア提供)にすぎなかったが、わずか3話で3.4%を突破して月火ドラマ1位となり、最終回では6.1%を記録してENA歴代ドラマ視聴率トップ3に食い込む番狂わせを起こした。その旋風の中心にいた俳優ソン・ヒョンジュとキム・ミョンミンは、視聴者から「名演技対決の頂点」と絶賛された。
その『YOUR HONOR~許されざる判事~』がシーズン2制作を公式化し、再び視聴者の期待を集めている。17日、制作会社テイクワンスタジオはENA新ドラマ『アイショッピング』などの放送予定を伝えながら、シーズン2の企画を明らかにした。
「怪物になった父親たち」…倫理と感情の衝突、Kサイコスリラー誕生
同作はイスラエル原作ドラマ『Kvodo』を基にした作品で、米国ではブライアン・クランストン主演の『Your Honor』としてリメークされた。韓国版は法律と権力、道徳と父性愛というテーマを中心に、韓国的な情緒を加えて脚色された。
あらすじはシンプルだが重い。殺人犯となった息子を隠すため真実を覆い隠そうとする裁判官 ソン・パンホ(ソン・ヒョンジュ)と、死んだ息子の秘密を追う権力者キム・ガンホン(キム・ミョンミン)、子を守るため怪物へと変わる二人の父親の熾烈な心理対決が柱である。リアルな法廷描写と犯罪スリラー要素が加わり、視聴者を没入させた。
口コミが生んだ奇跡…視聴率推移だけ見ても「旋風」
『YOUR HONOR~許されざる判事~』は第1話視聴率1.7%でスタートしたが、第2話で2.8%を記録し急上昇した。続く3話では3.4%、4話3.7%、5話3.9%、6話4.3%、8話4.7%と着実に上昇し、視聴者の関心を一気に集めた。最終話となる10話では6.1%を記録し、自己最高視聴率を達成した。
10話という短いシーズンで視聴率が三倍以上に跳ね上がる例は珍しい。特に3話で3%を突破した点は、同時間帯に放送されたドラマやバラエティ番組と比較しても際立つ成果だ。ENAという新興ケーブルチャンネルのアクセス面での制約を考慮すれば、なおさら注目に値する。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』と『クラッシュ 交通犯罪捜査チーム』に続き、『YOUR HONOR~許されざる判事~』はENA歴代視聴率3位となり、新たなヒット作として位置づけられた。

「演出・脚本・俳優」三拍子…没入感を極大化
作品の完成度を支えたのは実力派スタッフだ。演出は『紙の月』『サバイバー: 60日間の大統領』などで繊細な感情線を描いたユ・ジョンソン監督、脚本はドラマ『少年時代 -恋と涙と青春と-』のキム・ジェファン作家が担当した。
キャストの演技シナジーも高評価を得た。ソン・ヒョンジュは感情の深さを調整し、人間的でありながら恐ろしい裁判官を説得力たっぷりに演じ、キム・ミョンミンは冷徹さと感情を行き来する演技で劇の緊張感を牽引した。ここにキム・ドフン、パク・セヒョンなど新人俳優の活躍も光った。
シーズン2は果たしてどんな物語で戻ってくるのか…期待と推測だけが飛び交う
現在までシーズン2の具体的なあらすじや出演陣は公開されていない。ただシーズン1が単一事件を中心に完結しただけに、新たな事件と人物で構成されたアンソロジー形式になる可能性も取り沙汰されている。原作の強烈な情緒と韓国情緒に合うリアリティを巧みに混ぜ合わせ、もう一つの没入型ストーリーとして新たな名作が生まれるとみられる。

法廷劇の進化…シーズン制ヒットの可能性も証明
『YOUR HONOR~許されざる判事~』は単なる視聴率以上の成果を上げた。刺激的な事件ではなく「人間の選択」と「道徳の境界」という問いを投げかけ、韓国ドラマでは珍しい法廷と家庭、倫理を統合したサイコスリラーという点で意義がある。このドラマがシーズン2を準備しているとのニュースだけでも、業界とファンの期待が高まる理由だ。
ENAとテイクワンスタジオは『アイショッピン』を皮切りにオリジナルIP強化に力を入れる予定で、『YOUR HONOR~許されざる判事~』はその象徴的中心に据えられるプロジェクトとなる見通しだ。
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