フランスを代表する女優ブリジット・バルドーさんが91歳でこの世を去ったとAFP通信が28日(現地時間)報じた。

ブリジット・バルドー財団は同日、声明を発表し、世界的な女優で歌手でもあり、財団の創設者であるバルドーさんが亡くなったことを深い悲しみとともに伝えた。財団側は、ブリジット・バルドーが華やかな映画人生に区切りをつけた後、自身の人生と情熱を動物福祉と財団の活動に捧げてきたと説明した。ただし、死去の日時や場所については言及しなかった。
ロイター通信によると、エマニュエル・マクロン大統領は同日、Xへの投稿で「バルドーは自由な生き方、フランス的な生き方、そして普遍的な美を体現した存在だ。バルドーは私たちに深い感動を与え、私たちは世紀の伝説を悼んでいる」と追悼の意を表した。
バルドーさんはここ数カ月、公の場に姿を見せていなかったという。フランスでは名前の頭文字を取った「B.B.」の愛称で親しまれ、マリリン・モンローやクラウディア・カルディナーレと並び称される当時を代表する官能的な女優として人気を博した。
1934年にパリの中産階級の家庭に生まれたバルドーは、15歳で雑誌「ELLE」の表紙モデルとして芸能界入りした。1956年に公開された映画『素直な悪女』で一躍世界的スターとなり、約50本の映画に出演した後、1973年に映画界を引退した。
引退後は動物保護活動に専念した。1986年に自身の名を冠した財団を設立し、翌年には私物の競売で活動資金を集めた。南仏リビエラ地方のサントロペ近郊に暮らし、闘牛や狩猟、毛皮使用など動物に対するあらゆる残酷な行為に反対する立場を貫いた。AFP通信はバルドーのこのような信念が、映画撮影現場で命の危険にさらされていたヤギを救い、自身のホテルで飼い始めた経験に由来すると伝えている。2013年には動物保護こそが自分の唯一の闘いであり、人生の指針だと語っていた。
一方で私生活は波乱に富み、4度の結婚や複数の不倫、うつ病などが報じられた。1952年にロジェ・ヴァディムと結婚後に離婚し、1959年にはジャック・シャリエと再婚して1人の息子をもうけた。その後、ドイツの富豪ギュンター・ザックス、実業家ベルナール・ドルマルと結婚した。26歳のときには自殺未遂を起こすなど、不安定な時期もあったとされる。
また、政治的発言をめぐる論争も少なくなかった。1997年から2008年にかけて、フランス国内のイスラム教徒コミュニティを侮辱する発言を繰り返し、6回にわたり罰金刑を科され、人種差別主義者との批判を浴びた。韓国との関係では2001年のラジオインタビューで犬肉食文化を「野蛮だ」と批判し、物議を醸したこともある。
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