今年3月に韓国の映画館にて公開された際には観客動員数がかろうじて10万人を上回った映画が、Netflixでの配信開始と同時に快進撃を見せている。
引用:YouTubeチャンネル「ロッテエンターテインメント」今月24日に世界配信された映画『ストリーミング』は、公開からわずか一日で「今日の韓国映画TOP10」部門1位となり、大きな話題を呼んでいる。映画館で公開された際には反響がなかった作品が再び注目を集めているのには、それなりの理由がある。この作品はタイトルどおりストリーミングプラットフォームを舞台にしたスリラーで、登録者数1位の犯罪専門ストリーマー「ウサン」が、未解決連続殺人事件の手がかりを偶然見つけたことから物語が動き出す。いわゆる「裾連続殺人鬼」と呼ばれる未解決事件の痕跡を追いながら、彼は捜査過程をリアルタイムで配信し、多数の視聴者の注目を集める。しかし、犯人追跡は放送のネタを超え、次第に現実の脅威となり、事態は予想外の方向へ転がっていく。
引用:ロッテエンタテインメント
この作品は映像の構成から目を引く。固定されたカメラのアングル、リアルタイムのチャット欄、スポンサー広告など、実際の1人配信のフォーマットをそのまま取り込み、まるでYouTubeなどを視聴しているかのような没入感を与える。単なる模倣にとどまらず、この構造の中で犯罪スリラーの緊張感を最大化した点が功を奏した。演出の中心にはチョ・ジャンホ監督、そして何よりも劇を一人で引っ張る俳優カン・ハヌルの演技がある。カン・ハヌルは「ウサン」というキャラクターを通じて、これまでの善良で端正なイメージを完全に脱ぎ捨てた。配信中に虚勢を張り、刺激的な言葉を使い、犯罪さえもコンテンツとして消費する人物を説得力たっぷりに描き出す。映画の9割以上がカメラ前でのワンマン演技という構成だけに、その演技力が作品の完成度を左右すると言っても過言ではない。特に約10分に及ぶワンテイクのシーンでは、俳優としての集中力と没入度がまざまざと伝わり、観客の視線を離さない。
引用:ロッテエンタテインメント
映画『ストリーミング』は単なるスリラーを超え、メディア生態系への批判的な視線を内包している。リアルタイムという形式が生み出す極限の没入感は、同時に視聴者の刺激への欲望を満たす装置にもなる。犯罪と配信、関心と危険、登録者数と命という矛盾した価値が絡み合い、物語は次第に混沌と不気味さを増す。すべてを一つの画面上に並べることで、映画は観客が観察者であると同時に傍観者、時には共犯者になってしまう瞬間を鋭く突きつける。観客の反応も強烈だ。一部評論家はフォーマット自体は見慣れているものの、演出と演技の相乗効果が新鮮だと評価した。既存の「一人配信×犯罪」という枠組み自体は新しくないとの指摘もあったが、それをカン・ハヌル一人で高密度に消化した点が高く評価された。
引用:ロッテエンタテインメント^@@^
映画館での公開時はR19というレイティングとマーケティングの制約から観客動員数10万人突破が難しかった作品だったが、Netflixというプラットフォームで公開された途端、見事なリバイバルを成し遂げた。観客との接点が映画館ではなくOTTへと移る時代に、『ストリーミング』はまさにコンテンツ消費の転換点を示すケースとなった。作品のクオリティだけでなく、どのプラットフォームで、いかなる形で観客と出会うかが結果を左右し得ることを証明したのだろう。
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