放送開始と同時に、韓国のNetflixシリーズ部門で瞬く間に1位を獲得したドラマがある。

JTBCの新土日ドラマ『エスクワイア―弁護士を夢見る弁護士たち』(以下『エスクワイア』)のことだ。本作は公開初週からランキング首位を獲得し、法廷ドラマの強さをあらためて証明した。
5日午前(10時30分時点)のNetflix「本日の韓国トップ10シリーズ」では『エスクワイア』が1位に躍り出ており、2位の『トリガー』、3位の『トライ:私たちは奇跡になる』を抑えてトップに立った。法廷劇ならではのリアルな事件展開や人間関係、そして痛快な正義の実現が視聴者の共感を呼んだものとみられる。
『エスクワイア』は、正義感は強いが社会生活が不器用な新人弁護士カン・ヒョミン(チョン・チェヨン)と、冷静ながらも優秀なパートナー弁護士ユン・ソクフン(イ・ジヌク)が共に成長していく過程を描く。大手ローファーム「ユルリム」を舞台に、各話ごとのエピソードが「愛」をテーマに展開される。無念を晴らす弁護士たちの姿が、従来の法廷ドラマとの差別化ポイントだと制作陣は説明している。

演出を手掛けたキム・ジェホンPDは「訴訟のディテールは高度で、傷ついた人々を包み込む物語が中心だ」と作品の方向性を語った。台本は現役弁護士が執筆しており、各ケースの展開にも緻密さが光る。
3日に放送された第2話では、訴訟チームのユン・ソクフン、カン・ヒョミン、イ・ジヌ(イ・ハクジュ)が、医療機器の破損を理由に病院から訴えられた依頼人パク・ギボム(イ・ヘウン)を弁護した。精巣がん手術前に採取した精子が病院側の過失で損傷した事件で、子どもを切望していた夫婦のエピソードが法廷で明らかになり、傍聴席の目に涙を誘った。カン・ヒョミンは依頼人の証言から交渉力を高める糸口を掴み、ユン・ソクフンはそれを基に病院側に5億ウォン(約5,317万円)の賠償を要求。医療団地建設を控え世論に敏感な病院を揺さぶるため、記者を法廷に呼び込む戦略も駆使した。結果として病院は訴えを取り下げ、望んだ条件で和解に応じた。

チョン・チェヨンは初めての専門職キャラクターに挑戦するにあたり、法律用語や手続きを学びながら撮影に臨んだ。イ・ジヌクはリアルな弁護士役で復帰し、チョン・ヘビンとイ・ハクジュはそれぞれ異なるアプローチで「愛」というテーマを描き出した。制作陣は「最終的には視聴者が自分の人生を振り返るきっかけになるドラマだ」と強調している。
ニールセンコリアによると、2話までの全国有料世帯基準平均視聴率は4.7%、首都圏では5.2%を記録し、順調な滑り出しを見せた。『エスクワイア』第3話は9日に放送予定で、視聴できるOTTはNetflixのみとなっている。

『エクスワイア:弁護士を夢見る弁護士たち』の企画意図は次のとおりだ。
体に傷ができれば病院に行く。では、心に傷を負ったときは?
人は傷が限界に達すると「訴訟」を思い浮かべる。
追い詰められた状況で最後の手段として、法が自分の幸福、そして幸福を享受する権利を守ってくれると期待するのだ。
『エクスワイア』はまさにその瞬間に立つ人々、極限の心の傷を負い「訴訟」という名の治癒を選んだ人々の物語である。
そして彼らを代理する弁護士たちもまた、他人の傷を覗き込みながら、結局は自分の中にある古い傷と向き合うことになる。
このドラマは、法廷という舞台で繰り広げられる熾烈な弁論とともに、少しずつ癒やされ成長していく人々の旅路を追っていく。
特に、このドラマで扱う訴訟の多くは「愛」にまつわる物語だ。
恋人同士の愛、夫婦の愛、親子の愛、ペットへの愛情、さらには他者への憐憫まで…。
さまざまな形の愛が葛藤の果てに法廷へと立たされる。
そうした訴訟を担当し解決していく中で、ドラマの熱血弁護士たちは法廷で愛を思索し学び、またそれぞれの現実で愛を芽生えさせながら成長し変化していく。
『エクスワイア』は、人間らしい感情の極みである「愛」を、最も非人間的とも言える空間「法廷」の上に乗せ、解体し再構築する。
その過程で、法が感情と衝突したときにどのような姿を見せるのか、また時にその感情をどのように包み込めるのかを探究する。
これを通じて「愛」とは何かを視聴者と共に深く考察したい。

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