Netflix が満を持して制作した韓国オリジナルシリーズ『エマ』が公開を目前に控え、爆発的な関心を集めている。1980年代の韓国映画界を揺るがしたエロ映画『エマ夫人』の製作秘話をモチーフにした本作は、19禁指定でありながらむしろ一層大きな話題を呼び、視聴者の期待を一段と高めている。

『エマ』は80年代初頭のソウル・忠武路(チュンムロ)を舞台に、当時センセーションを巻き起こしたエロ映画『エマ夫人』の製作過程で繰り広げられるさまざまな人間模様を描く。映画界の暗部や、女性俳優が直面した現実的な苦難をユーモアと感動で包み込みながら伝える点が注目されている。
5日、Netflix が公開した12枚の報道スチールには、『エマ夫人』の主演に抜擢された新人女優シン・ジュエ(パン・ヒョリン)と、助演として出演する当代トップスターのチョン・ヒラン(イ・ハニ)が見せる多彩な表情が収められ、視線を引きつけた。

イ・ハニ&パン・ヒョリン主演、チン・ソンギュ&チョ・ヒョンチョルまで…華麗なるキャスティング
作品の中心には、トップスターのチョン・ヒランを演じるイ・ハニと、新人女優シン・ジュエを演じるパン・ヒョリンが立つ。チョン・ヒランは当時絶大な人気を誇った俳優で、露出中心の脚本に反発した結果、主演から助演へと降格される人物だ。一方、シン・ジュエは演技経験ゼロにもかかわらず、大胆にも主演の座を射止める破格のキャラクターとして描かれる。
さらに、製作会社代表ク・ジュンホを演じるチン・ソンギュと、新人監督クァク・イヌを演じるチョ・ヒョンチョルが物語に活力を吹き込む。ク・ジュンホは興行成功のためなら手段を選ばない野心家で、作品性より商業性を優先する人物。クァク・イヌは自身の初監督作となる『エマ夫人』で監督としての地位を確立しようとするが、現実の壁にぶつかり奮闘する姿を見せる。

『毒戦』イ・ヘヨン監督、初のシリーズ演出に挑戦
演出を手掛けるイ・ヘヨン監督は、映画『毒戦 BELIEVER』や『ヨコヅナ・マドンナ』などで独創的な演出力を認められてきた人物だ。今回の『エマ』では初めてシリーズ形式の作品に挑み、1980年代特有のレトロな感性を緻密に再現したと高く評価されている。
特に当時のファッション、ヘアスタイル、セットデザインを通じて80年代忠武路の空気感を生々しく蘇らせた点が目を引く。制作陣も「時代考証に相当な労力を注ぎ、当時の映画制作現場をリアルに映し出した」と語っている。

Netflixシリーズとして新たに誕生した『エマ』…女性同士の連帯と成長譚で一線を画す
『エマ』が単なるエロ映画の題材を超える最大のポイントは、女性キャラクターたちの「成長」と「連帯」を前面に押し出したストーリー展開にある。当初はライバル関係として描かれるトップスターのチョン・ヒランと新人女優シン・ジュエが、互いを理解し合い、やがて旧来の映画界の秩序に共に立ち向かう過程が丁寧に描かれる。
これは、単に露出やセンセーショナリズムに依存するのではなく、1980年代当時の女性たちが直面した社会的制約や、それに対抗する意思を反映したものと解釈できる。
また、本作は1980年代韓国映画界に根強く存在した権力構造や性差別的慣習を率直に照らし出しつつも、重くなり過ぎないブラックコメディの妙味で物語を進行。見応えのある笑いと痛烈な社会批評を両立させた点が好評を博している。

22日に初公開を控えるNetflixオリジナルシリーズ『エマ』は、予告編とスチールカットが先行公開されただけで視聴者の期待を大きく高めている。ネット上では「韓国ならではの題材でグローバルに訴求できそうだ」「イ・ハニとパン・ヒョリンのケミストリーに期待」「レトロ感性が完璧に再現されている」など熱い反応が相次いでいる。
一部では「18禁」と敏感なテーマに対する懸念の声も上がっているものの、大半は新鮮で挑戦的な韓国ドラマの登場を歓迎するムードだ。
『エマ』は全8話構成で、8月22日にNetflixを通じて全世界同時配信される予定。1980年代という時代背景と破格的な素材、そして実力派キャストのアンサンブルがどのようなシナジーを生み出すのか注目が集まっている。
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