初の韓国・ベトナム合作映画が、ベトナムで大ヒット中だ。ベトナム興行ランキングでは、映画『お母さんを捨てに行きます』が公開から3日で損益分岐点を突破し、1位に浮上した。

今月1日にベトナムで公開された映画『お母さんを捨てに行きます』は、困窮の中で働く路上散髪師ファン(トゥアン・チェン)が、認知症を患う母ホン・ダオを救うために韓国へ向かう物語だ。自身の体調が悪化する中、ファンは韓国在住の兄に助けを求める。
主演はベトナムで最も人気のある俳優陣が務める。若手スターのトゥアン・チェンと国民的ベテラン俳優のホン・ダオは、キャスティング段階から第1候補として選ばれていた。
国内では、人気俳優チョン・イルが出演するとの報道もあり、制作段階から大きな注目を集めた。チョン・イルは映画内でホン・ダオの元夫「チョンミン」として特別出演し、ベトナムでは「国民義理息子」として親しまれている。

先月29日から31日まで、映画『お母さんを捨てに行きます』の宣伝活動のためにベトナムを訪れたチョン・イルは、多くの歓迎を受け、その人気の高さを改めて実感させた。
当映画は、ベトナムでかつてない好成績を収めている。配給元のCJによると、週末の観客動員数は80万を超え、今年のベトナム映画として最高のオープニングを記録した。
現地メディア「VnExpress」によれば、公開直後から観客を魅了し、映画『お母さんを捨てに行きます』は公開3日で約800億ドン(約4億円)の収益を上げ、採算分岐点を突破した。1日あたり200億ドン(約1億円)の売上を記録し、人気日本アニメ『名探偵コナン 隻眼の残像』の3倍に匹敵する数字となっている。

監督モ・ホンジンの徹底的なベトナム現地調査が、このヒットの鍵となった。韓国人である彼は、ベトナム特有の家族愛と文化を表現するため、この地を舞台に選んだ。KBSニュースで「家族愛の強いベトナムで、苦しみの中にも温もりある物語を作り、その愛の限界を示したかった」と語っている。
また、ベトナムの出演者たちはKドラマに対して深い愛情を抱いている。認知症の母役を務めたベトナムのベテラン俳優ホン・ダオは「25年にわたりKドラマを視聴してきた熱心なファンであり、多くのことを学んだ」と述べた。
映画振興委員会(KOFIC)によれば、映画『お母さんを捨てに行きます』は韓国でも今年下半期に公開される予定だ。
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