話題作のディズニープラス・オリジナルシリーズ『パイン ならず者たち』(以下『パイン』)が、果てしない欲望によって野心の船を沈め、遂に幕を閉じた。

13日に『パイン』の最終回となる10~11話が公開され、大冒険の幕を閉じた。『パイン』はOTT公開直後の先月18日から26日まで連続1位を守り、着実に話題性と作品性を同時に証明してきた。
先月16日、1~3話に始まり、以降毎週水曜日に2話ずつ公開された本作は、全南新安(チョンナム・シナン)の前海に沈んだ宝船を巡る、欲望と裏切りの物語を描いている。1977年、高麗・元朝時代の宝船を手に入れようと集まった勤勉な生計型田舎者たちが、互いに騙し合う様子を描いた犯罪ドラマで、ユン・テホ作家の同名ウェブ漫画を原作とし、『犯罪都市』や『カジノ』などを監督したカン・ユンソン監督がメガホンを握っている。俳優リュ・スンリョン、イム・スジョン、ヤン・セジョン、キム・ウィソン、キム・ソンオ、チョン・ユンホ、イ・ドンフィなどが出演し、豪華キャストで話題を呼んだ。

公開された10~11話では、覚醒したチョン会長(チャン・グァン)が、チョンスク(イム・スジョン)が薬を混ぜた事実を知ると、オ・グァンシク(リュ・スンリョン)の器を買い取るスポンサーになり、さらにイム・ジョンチョル(キム・ソンオ)に続いてチョンソクの殺害を依頼する様子が描かれた。チョン会長を排除して会社を奪おうとしたチョンスクは、結局追われる身となった。
結局、戸籍にも名前が載らず、欲望にのみ囚われたチョンスクは自らの破滅を招いただけでなく、ストレスによって流産までしてしまった。
一方、ヒドンは100万ウォン(約10万円)を支払いソンジャ(キム・ミン)を連れて行き、中途保管庫で本物の器を持ち去った。その間、キム教授(キム・ウィソン)と釜山(プサン)チームは偽物の器を売り、警察に追われ、船が沈む寸前にまで追い込まれた。
本物の器を持ち去ったヒドンは、チョンスクにそれを見せた。破滅した上でなお再起を夢見るチョンスクは、まず感情を受け入れるべきだというだけでなく、流産の事実を隠し、ヒドンに子がいるという嘘まで展開した。
ちょうどその時、クァンソクが現れた。チョン会長の指示で、チョンスクを殺害するためにやって来たのだ。クァンソクは自らの全財産を差し出し、助けを乞うチョンスクと激しく格闘した。しかし、その時、器が積まれたトラックが崖下へ転落し、彼らの野望の沈没を告げた。
互いに殺し合いながら守ろうとしていた器が既に失われていたにもかかわらず、彼らの欲望の炎は消えなかった。クァンソクは最後までトラックの救出を試み、共に転落し、チョンスクは旅館でチョン会長派のキラーと対峙し、生死が定かでなくなった。
1年後、シム・ホンギ(イ・ドンフィ)は、新安から持ち込んだ陶磁器を骨董品社長に売ろうとし、「これは国が管理するものだ」と述べ、再び欲望に絡む様相を見せた。
また、洋服店で働いていたソンジャとヒドンが偶然再会する一方、生き残ったクァンソクがデシクに今回は土地掘りを指示するシーンが描かれ、シーズン2の可能性をほのめかした。

このドラマは、欲望に囚われた人物たちの破滅を描きながらも、ヒドンとソンジャの再会を通して原作以上に悲劇を和らげる道を選んだように見える。しかし、なお登場人物たちが骨董品への執着を捨てられない様子は、彼らの欲望が完全には消えていないことを意味している。
『パイン』が視聴者から好評を博した理由は、優れた原作、俳優たちの熱演、そして熟練の演出という三拍子が絶妙に調和していたからであり、何よりも原作ファンの心もとらえた点にあった。さて、原作とは何が違うのだろうか。
● 俳優と作品の双方をより魅力的に仕立てたボルグの登場
原作では第2話で初登場するボルグだが、シリーズでは第1話で強烈に姿を現す。シリーズでは、木浦(モクポ)に行った「オ・ヒドン」が、幸運喫茶の前でボルグ一派と初対面するシーンにおいて、ボルグの方言と気迫が際立ち、俳優チョン・ユンホの存在感を確実に印象づけた。これは脚色を通して役柄を際立たせた好例で、作品と俳優双方に好影響を与えた。
● シリーズでのみ描かれる「キム教授」のエピソード
シリーズ内のキム教授は、税関職員と結託して詐欺を働き、釜山の骨董店でヤクザの養子を騙して日本刀と銃を手に入れるという、原作にはないエピソードを展開。彼の大胆さと緻密さが事件として描かれており、これにより「オ・グァンソク」がキム教授の存在だけで危機感を煽り、シリーズ全体の緊張感を高めた。

● 立体感を増した『ヤン・ジョンスク』の過去設定
原作には登場しなかった興白ビニル時代の経理としての彼女の姿が、シリーズに追加された。
さらに、真夜中にビールを飲みながらヒドンとの出来事を回想するシーンも新たに挿入され、ジョンスクの内面がより細かく描かれた。ジン社長と米軍部隊による骨董品オークションに出席し、欲望に目覚めるシーンも、原作にはなかったが役柄に立体感を与えた。

● 没入感を呼び起こす関係性「オ・ヒドン」と「ソンジャ」
原作ではソンジャは単なる脇役に過ぎなかったが、シリーズではより親密な関係へと発展。スカーフを贈り、一緒に時間を過ごした後、「キム教授」の銃の話を切り出す展開に変わり、ソンジャが何気なく増島(ズンド)へ向かうシーンもシリーズならではの設定となった。これにより、二人は互いの情緒的な安らぎの場となり、貪欲な人物たちの中で唯一の希望を見出す様子が、監督の伝えたかったメッセージを体現している。
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