グローバルオンライン動画サービス(OTT)ディズニープラスが、韓国ドラマ市場に再び変化を予告している。来月、プラットフォーム初のオリジナル時代劇シリーズ『濁流』を単独公開し、ジャンルの領域拡大に乗り出すのだ。制作段階から注目を集めてきた本作は、公開前から「キャストがすごい」との反応とともに国内外のファンから期待を一身に受けている。

『濁流』は、映画『王になった男』で1,232万人の観客を動員し「千万監督」となったチュ・チャンミン監督と、KBSフュージョン時代劇『チュノ~推奴~』で最高視聴率34%を記録したチョン・ソンイル作家が意気投合したアクション時代劇だ。二人の名前だけでも視聴者の関心を引くに十分だが、今回特に注目される理由は、ディズニープラスが初めて挑むオリジナル時代劇である点にある。OTT市場でローカルコンテンツ競争が激化する中、グローバルプラットフォームが韓国時代劇ジャンルを本格的に打ち出すことは象徴的な意味を持つ。
物語の舞台は、平和だった京江(キョンガン)が濁流に変わってしまった無法地帯の朝鮮である。過去を隠しヤクザとなったシユル(ロウン)、理に明るく正義感の強い朝鮮随一の商団の主チェ・ウン(シン・イェウン)、清廉な捕盗庁の役人チョンチョン(パク・ソハム)など、異なる運命を背負った三人が絡み合い、巨大な渦へと引き込まれていく。各々の信念と欲望、そして時代の激流の中で彼らがどのような選択をするのか、関心を集める。

キャストはまさに豪華そのものだ。『婚礼大捷<こんれいたいしょう> -愛結ぶ二人-』『この恋は不可抗力』『恋慕』などで現代劇と時代劇を行き来し幅広い演技を披露してきたロウンが主人公シユル役を務める。過酷な人生の中でも決して折れない気概を持つヤクザの物語を、ロウン特有のカリスマで描き出す予定だ。『ジョンニョン: スター誕生』『コッソンビ熱愛史』『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』で強烈な存在感を残したシン・イェウンは、気丈な商団の主チェ・ウンに変身し、これまで見せてこなかった決然かつ戦略的な一面を披露する。
さらに『犯罪都市』シリーズで重厚さを加えたパク・ジファン、多彩な演技変奏を見せてきたチェ・ウォニョン、そして『セマンティックエラー』のパク・ソハムまで合流した。特にチェ・ウォニョンは小好翁主の叔父であり、朝鮮を変えようと志す大護軍として登場し、物語の主要な転換点を生み出す人物として期待される。

制作陣のラインアップも『濁流』の信頼度を高める。チュ・チャンミン監督は『王になった男』で繊細な演出と壮大なスケールを同時に実現し、評論家と大衆を魅了した。チョン・ソンイル作家は『チュノ~推奴~』で歴史とフィクションを巧みに融合させたストーリーテリングで独自の筆力を証明した。今回の作品は『チュノ~推奴~』以来14年ぶりの時代劇執筆であり、再び展開される物語の力が期待される。
『濁流』公開前の反応も尋常ではない。予告編が公開されるや「ロウンの時代劇なら信じて見る」「予告編だけでも圧倒的」「ディズニープラスが時代劇をやるのは興味深い」「アクションシーンのクオリティが映画級」などSNSやコミュニティには爆発的な反応が相次いだ。一部のファンは「濁流の情報もっと出して」「公開日まで待てない」とカウントダウンに入っている状況だ。

作品は第30回釜山国際映画祭オン・スクリーン部門に公式招待され、9月17日のプレミア上映で観客と先に出会う。OTT公開前に映画祭で初披露されるだけに、現場での評価が口コミとなり、興行にプラスの影響を与えると見込まれる。
ディズニープラス初のオリジナル時代劇というタイトルは『濁流』にとって単なる宣伝文句以上の意味を持つ。グローバルプラットフォームが韓国伝統コンテンツに本格的に投資するシグナルであり、Kドラマのジャンル的外延拡張を示す事例だからだ。Netflixが『キングダム』でゾンビ時代劇という新ジャンルを切り開いたなら、ディズニープラスは『濁流』を通じてアクション中心の正統派時代劇を前面に押し出したことになる。
出演俳優たちの熱演、信頼できる制作陣の組み合わせ、そしてOTT初の時代劇という新鮮さまで、『濁流』はすでに複数の興行要素を備えている。さらに映画祭招待という話題性も加わり、初放送への期待値はますます高まっている。ディズニープラスが本作で国内視聴者だけでなく世界中の視聴者の視線をとらえることができるのか注目される。

『濁流』は2025年9月、ディズニープラスで全世界同時公開される。タイトルのように激しい流れへと飛び込んだ三人の運命と、それを取り巻く朝鮮の激動がどのような結末を迎えるのか、関心が集まっている。
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