世界的な人気を誇るtvN日曜ドラマ『暴君のシェフ』を抑え、Netflix韓国ランキングで1位を疾走している韓国ドラマがある。

まさにSBSの金土ドラマ『カマキリ:殺人者の外出』の話である。
今月5日に初放送を迎えた本作は、わずか第2話にして最高視聴率10%を突破し、その底力を証明した。さらにNetflixグローバルTOP10シリーズ部門でも一気に7位にランクインし、韓国ドラマの底力を改めて示した。特に12日午前時点で『カマキリ:殺人者の外出』は、これまで韓国視聴者の間で大きな話題を呼んできた『暴君のシェフ』を抑えてNetflix韓国シリーズランキング1位を獲得した。国内外で同時に口コミ人気を博していた『暴君のシェフ』を上回ったことで、『カマキリ:殺人者の外出』の上昇勢いはいっそう注目されている。
『カマキリ:殺人者の外出』は、独自のストーリーと緊張感で視聴者を惹きつけている。物語は、5人の男性を残虐に殺害し「カマキリ」と呼ばれるようになった連続殺人鬼チョン・イシン(コ・ヒョンジョン)から始まる。23年ぶりに世に姿を現した彼女の前に、生涯彼女を憎み続けてきた息子チャ・スヨル(チャン・ドンユン)が刑事として現れる。殺人鬼と刑事という正反対の立場に立つ二人が再び相まみえ、共助捜査を展開していく中で、ドラマは強烈なストーリーを繰り広げていくのだ。

母であり殺人者でもあるチョン・イシンと、被害者遺族としての思いを抱えて生きてきた刑事の息子チャ・スヨル。二人の関係性は単なる家族ドラマの域を超えている。血でつながりながらも憎しみによって引き裂かれた母子の物語が、犯罪スリラーというジャンル的装置と結びつくことで、作品の没入感を一層高めているのだ。
視聴者が最も強く反応したのは、俳優コ・ヒョンジョンとチャン・ドンユンの共演だ。コ・ヒョンジョンは冷徹で背筋の凍るような連続殺人鬼の姿を、チャン・ドンユンは怒りと悲しみを同時に抱えた刑事の内面を緻密に描き出した。初めての再会シーンから、チョン・イシンは殺人者としての本能を隠さず、チャ・スヨルはそんな母を前に揺れ動く感情と憎悪を同時に露わにし、緊張感を極限まで高めていった。
二人のシナジーは単なる演技の呼吸にとどまらず、ドラマ全体を牽引する核心的な原動力となっている。視聴者評価指標であるキノライツにおいてドラマ部門1位を獲得したのも、両者の演技力が作品性と話題性を同時に裏付けた証拠と言える。

去る11日に公開された第3話予告スチールは、物語の展開に対する好奇心をさらにかき立てた。年金住宅の庭で本を手に鋭い眼差しを浮かべるチョン・イシンの前に、チャ・スヨルが近づく場面が公開されたのだ。会話を交わす瞬間、チョン・イシンは微妙な笑みを浮かべ、チャ・スヨルは葛藤をにじませた眼差しで母を見つめていた。
冷笑的な対峙でしか続かないと思われていた二人の間に、どこか変化した空気が流れる姿は、『カマキリ:殺人者の外出』が単なる復讐劇を超え、心理戦の舞台へと拡張されることを予告していた。利用と警戒、憎悪と血縁という本能のはざまで、二人がどのような選択を下すのか、視聴者の関心は高まる一方だ。
制作陣は、本作の核心は「連続殺人鬼の母と刑事の息子の関係性」にあると強調する。互いへの憎悪と怒りを超えて、どのような亀裂や接点を生み出すのかがドラマ全体を牽引する力だという。コ・ヒョンジョンとチャン・ドンユンはそのために緻密かつ細部に至るまで演技の呼吸を合わせ、毎回予測不能な感情線を見せていくと説明した。
現在『カマキリ:殺人者の外出』が示している成果は、一つのドラマのヒットにとどまらず、国内外ドラマ市場の構図変化をも浮き彫りにしている。近年、OTTや放送プラットフォームでジャンル物人気が続いているとはいえ、地上波ドラマがグローバル舞台でここまでの成果を出すケースは稀だ。SBS金土編成戦略が見事に的中した形といえる。

また、グローバル視聴者の間では『カマキリ:殺人者の外出』が描き出す母子関係の独特なストーリーが新鮮に映っているという評価も出ている。従来の韓国犯罪スリラーが主に「警察 vs 犯罪者」という対立構図に焦点を当ててきたのに対し、『カマキリ:殺人者の外出』はその関係を「家族」という絆へと拡張し、ドラマの緊張感を一層高めているのだ。
『カマキリ:殺人者の外出』はまだ序盤を過ぎたばかりである。それにもかかわらず、すでに視聴率やOTTランキングで爆発的な成果を記録し、ドラマ界の勢力図を揺るがしている。チョン・イシンとチャ・スヨルの関係が単なる対立を越え、協力と葛藤、あるいは新たな悲劇へと向かうのか、注目が集まっている。
『カマキリ:殺人者の外出』第3話は12日午後9時50分よりSBSで放送される。
コメント0