韓国の大型連休の初日である10月3日に公開されるコメディアクション映画『ボス(韓国語原題訳)』が、韓国で予約数11万枚を突破し、映画の観客数ランキングの争いに本格的に加わった。

10月2日、韓国映画振興委員会の映画館入場券統合電子網の集計によると、『ボス』は同日午後2時の時点で予約数11万枚を記録した。公開8日目を迎えたパク・チャヌク監督の『仕方ない(韓国語原題訳)』が12万枚で先頭を守っているが、『ボス』が約1万枚差でその後を猛追している。
イ・ビョンホン、ソン・イェジン主演の映画『仕方ない』は、会社を失った家長マンス(イ・ビョンホン)が家族と家を守るために奮闘する物語を描いた作品である。パク・チャヌク監督とイ・ビョンホンが約21年ぶりに再会した話題作である。
実際の韓国の映画館でも接戦が繰り広げられている。『仕方ない』は前日1日で7万5,000人以上の観客を集め、総観客数130万人を突破した。しかし、2週目の平日入りで観客数が減少し、2位とのギャップが狭まっている。日本のアニメの劇場版『チェンソーマン レゼ篇』が同じ日に6万3,000人以上を動員し、1位の座を狙っている。
ここに劇場版『チェンソーマン レゼ篇』も予約数9万7,000枚を確保し、『ボス』との3つ巴の様相が形成された。そのほか、ハリウッドのブロックバスター『One Battle After Another』が2万1,000人以上を集めて3位、韓国のアニメの『縁の手紙(韓国語原題訳)』が1万6,000人で4位を占めた。

『ボス』は組織の次期ボス選出を巡って繰り広げられる組織員たちの「譲歩」競争をユーモラスに描いた作品である。ボスの座を争うのではなく、それぞれの夢を実現するために互いにボスの座を押し付け合う組織員たちの必死の対決を描いている。
チョ・ウジン、チョン・ギョンホ、パク・ジファン、イ・キュヒョン、イ・ソンミン、ファン・ウスレなど実力派俳優が多数出演し、演技のシナジーを予告する。特にチョ・ウジンは組織の2番手で中華料理店の厨房長スンテ役を、チョン・ギョンホは組織の正統だがタンゴに夢中になった人物を演じる。パク・ジファンはボスの座を切望する熱血男パンホ役を担い、イ・キュヒョンは組織を壊滅させるために潜入したアンダーカバー警察役をこなす。
ラ・ヒチャン監督は2019年からこの作品を構想し、企画段階からチョ・ウジンを念頭に置いていたと明かした。10月2日、韓国のラジオSBSパワーFMの『パク・ハソンのシネタウン』に出演したラ・ヒチャン監督は「不思議とウジンさんの演技や作品が目に留まった。本格的にウジンさんがコメディやこういった作業をしたことはなかったが、『宇宙+人』や『インサイダーズ』でもそういったコメディ的なものが私の目には見えた」と説明した。
チョ・ウジンは監督のユーモアセンスについて「意表を突くユーモアを本当に上手に使われる。撮影時もほぼこのトーンでディレクションをされていて、会話の中でポンと出てくるユーモアがある。ファン・ウスレさんがそういうのが好きだ。私たち俳優も惚れ込んだ」と述べ、「私たちの映画が監督の性向ととても似ている。意表を突くユーモアコード、思いもよらないユーモアコードが映画にも隠れているので、発見しに来ていただければと思う」と伝えた。

俳優たちのキャラクター準備過程も注目を集める。中華料理人役を担ったチョ・ウジンはヨ・ギョンレ、パク・ウニョンと韓国の有名シェフから料理を学んだ。チョ・ウジンは「最初はどなたに習うのか分からない状態で食堂に行った。ヨ・ギョンレシェフがいて驚いた。バスケットボール映画を撮っているのにバスケットボールを習いに行ったらマイケル・ジョーダンがいるような感じだった」と回想した。
チョン・ギョンホは4ヶ月間タンゴの練習に励んだ。ラ・ヒチャン監督は「キャラクターが皆違ったらいいなと思い、料理やダンスなどいろいろなギャップを与えた。4ヶ月間できないと思ったが、できた」と述べ、「ギョンホさんはタンゴの練習をしながら爪が抜けるエピソードもあった。感謝している」と語った。
チョ・ウジンは最後に「意表を突く笑いを引き起こすコードがたくさん詰まっている。何も考えずに気軽に笑って楽しめる。家族と一緒に見るとさらに大きな楽しみを感じられる映画なので、大型連休がもうすぐ来るが、健康で豊かな連休を過ごして、ボスと一緒にすればその豊かさが増すと信じて疑わない」とお願いした。
ラ・ヒチャン監督も「久しぶりにこんなに例のない長い連休のようだ。劇場で皆で集まって映画を見た記憶が薄れてしまったようだ。『ボス』映画は不足している面もあるが、家族で一緒に楽しめる映画だと自負している。そのような経験をしていただければと思う」と付け加えた。

韓国の著名な映画祭の一つである第30回釜山国際映画祭「韓国映画の今日 – スペシャルプレミア」部門に招待された『ボス』は、上映後観客から「久しぶりに思い切り笑ってきた映画」、「予想を裏切る展開がさらに面白い映画」、「新鮮な設定と完成度の高いキャラクター」、「連休に家族と見るのにぴったりな作品」などの高評価を受けた。
大型連休を前に韓国映画が予約率の先頭を占め、劇場街に活気を吹き込んでいる。特に『ボス』が公開と同時にどのような成績を収めるのか業界の注目が集まっている。
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