韓国の秋夕(チュソク)連休後、連続放送休止を経験したtvNの月火ドラマ『シン社長プロジェクト』が驚くべき反発を遂げた。最低視聴率5.5%まで落ち込んでいた作品が、わずか一週間で10%台を目前に控え、爆発的な上昇を記録した。視聴者の懸念が「大反転」に変わる瞬間であった。

20日放送の『シン社長プロジェクト』(脚本:パン・ギリ、演出:シン・ギョンス、企画:Studio Dragon、制作:ドゥフレーム)の第9話は、首都圏平均8.2%、最高9.8%、全国平均8.4%、最高9.7%(ニールセン・コリア提供、全国基準)を記録し、全チャンネル同時間帯で1位を獲得した。秋夕連休の影響で停滞していた第7話(5.5%)および第8話(7.2%)の下落を一気に挽回した数値で、堅実なストーリーと俳優たちの没入感ある演技が再び視聴層を引き寄せた。特にtvNの主要ターゲットである20〜49歳の男女視聴率部門でも全チャンネルで1位に上り、作品の人気を証明した。
この日の放送は、ユン・ドンヒ(ミン・ソンウク)を追跡するシン社長(ハン・ソッキュ)の緊迫した追撃戦で緊張感を最大限に高めた。ユン・ドンヒの背後に、国立法務病院の院長イ・ホジュン(パク・ヒョックォン)が存在することが明らかになり、ストーリーは新たな局面へと転換した。警察のチェ・チョル(キム・ソンオ)から、ユン・ドンヒの主治医が死亡前に最後に通話した人物がイ・ホジュンであったという事実が伝えられると、シン社長は直ちに彼の自宅を訪れ、そこでユン・ドンヒがチェ・チョルを攻撃する惨劇の現場を目撃することとなった。

緊迫した展開の中で『シン社長プロジェクト』は、単なるスリラーを超え、人間の欲望と罪の意識を深く掘り下げる心理劇へと拡大された。ユン・ドンヒの口座に資金が入金されるたびに誰かが死亡するパターンを追っていたシン社長は、今回の事件が例外的であることに気づき、犯行動機への疑念が深まる中、イ・ホジュンの複雑な内面が明らかになり、物語に重厚な重みを加えた。イ・ホジュンは自らの危険を冒しながらもユン・ドンヒに関連する資料を探し出し、シン社長に渡し、「話をする相手が必要ならいつでも来い」と人間的な慰めを与え、予期せぬ感情線を生み出した。
しかし、すぐに明らかになった真実は衝撃的であった。クラブシークレット代表チュマダム(ウ・ミファ)の元夫キム・ヨンウ(チョ・ヒボン)が金銭を要求していた相手が、他ならぬイ・ホジュンであり、結果的に彼はユン・ドンヒとの密会を通じて、別の秘密の輪を形成していた。このシーンで緊張感は最高潮に達し、二人の間の権力構図と心理戦が視聴者を完全に捉えた。
一方、チョ・フィリップ(ペ・ヒョンソン)は、シン社長とイ・シオン(イ・レ)の助けを得て、交渉者として一段階の飛躍を遂げた。ジームトレーナーたちの不当な労働環境を是正するため、不法顧問弁護士ドゥ・ドンソク(ホン・ウジン)の背任の兆候と、ジム代表チャールズ・ホン(チェ・デフン)の不正を暴露し、社会的弱者の権益保護という『シン社長プロジェクト』の核心メッセージを力強く引き出した。特にシン社長の「3分タイムアタック」技術を再現し、相手に自首を促すシーンは視聴者に爽快なカタルシスを与えた。

結局、第9話は『シン社長プロジェクト』が単なる追跡劇を超え、人間の道徳、正義、回復の物語へと拡大していることを示した回となった。ハン・ソッキュの抑制された感情演技とパク・ヒョックォンの繊細な内面演技がぶつかり合い、ベテラン俳優たちの存在感が作品の奥行きを完成させた。ここにペ・ヒョンソンの成長物語が絡み合い、視聴者は「最後がすごかった」、「ハン・ソッキュの表情一つに没入する」、「このドラマに演技の穴はない」といった熱い反応を示した。
放送休止後に急激に反発した視聴率、そして毎回積み重なる複合的な物語構造は、『シン社長プロジェクト』が下半期tvNの代表作としての地位を確固たるものにする可能性を高めている。

物語の中心がさらに深まる中、『シン社長プロジェクト』第10話は21日午後8時50分より放送される。
※ tvNドラマ『シン社長プロジェクト』(ニールセン・コリア提供、全国基準)
-第1話(09.15)5.9%
-第2話(09.16)7.4%
-第3話(09.22)8.0%
-第4話(09.23)7.7%
-第5話(09.29)8.7%
-第6話(09.30)7.5%
-第7話(10.06)5.5%
-第8話(10.07)7.2%
-第9話(10.20)8.4%
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