人気作として注目を集めているtvN『テプン商事』を抑え、話題性1位に躍り出たドラマがある。

Netflixが公開した19歳以上観覧可のミステリー犯罪スリラー『あなたが殺した』だ。
17日、グッドデータ・コーポレーションが発表した11月第2週のTV-OTT統合話題性ランキングで、Netflixオリジナルシリーズ『あなたが殺した』が1位を獲得した。19禁で公開された同作は、強い没入感を武器にした犯罪スリラー特有の緊張感が口コミで広がり、SNSやコミュニティ、動画プラットフォーム全般で言及量が急増した。
作品公開直後、Netflix韓国内TOP10上位に入ったことも話題性上昇の要因となった。今回のFUNDex調査で14.08%のシェアを記録し1位となった背景として、こうした反応が影響したと分析される。
「テプン商事」を抜いて1位…tvNとOTTの競争構図に変化
『テプン商事』は週末ドラマの中で最も急速な視聴率上昇を見せ、10%突破を目前に控えている。しかし今週の話題性では、Netflixオリジナルの勢いに押され2位にとどまった。『テプン商事』が地上波・ケーブルの視聴率を中心とした成果を重ねている一方『あなたが殺した』はSNSとコミュニティでの活動が多く、話題性指標で優位に立ったとみられている。
グッドデータのFUNDexは従来の視聴率と異なり、ニュース記事量、ブログ・コミュニティでの言及、SNS反応、動画コンテンツの言及量などを総合して指数化する。こうした評価方法の違いが、視聴率と話題性ランキングの差異につながっているという。結果的に、地上波・ケーブルに加えOTTが本格的に競争を繰り広げる流れが一層強まっている。

OTTドラマが上位を席巻…TVINGとDisney+も好調
今週のランキングは、OTT作品が上位を大きく占めた点でも注目に値する。『あなたが殺した』に続き、TVING『親愛なるX』、Disney+『捏造された都市』がそれぞれ3位と4位にランクインし、プラットフォーム中心の視聴構造が固まりつつある。
特に『捏造された都市』は公開初期のスチールカットや予告の反応を基に話題性が徐々に上昇したと評価されており、視聴者からはテーマとビジュアルが独特だという声が上がっている。OTT中心の視聴傾向が強まっている現状を、今回の調査結果が明確に示したと言える。
FUNDex調査の仕組み
グッドデータ・コーポレーションのFUNDexは、TVとOTTコンテンツ全体の話題性指標を統合分析したデータだ。調査対象は地上波・総合編成・ケーブル39局とOTT5社で、ドラマ・バラエティ・情報・時事番組を含む。ニュース・スポーツ中継・映画は対象外となる。
分析基準は、ニュース記事量、コミュニティ・ブログでの言及、SNS反応、動画コンテンツの視聴・反応などを合算して点数を算出する。毎週更新されるため、リアルタイムの視聴トレンドとオンライン反応を同時に把握でき、業界やファン層の参考指標として活用されている。

今後の話題性の流れはどう続くか
今後の話題性は『あなたが殺した』終盤の評価『テプン商事』の視聴率が10%を突破するか否か、Disney+やTVINGの年末新作公開予定によって変動すると予想される。
特にSBS『復讐代行人3』が21日に初放送を控えており、競争構図が大きく揺らぐ可能性もある。前シーズンで視聴率21%を超え、シーズンドラマ拡大を牽引した作品だけに、初回放送直後の視聴率や視聴者反応がFUNDex順位に即時反映される可能性が高いとされる。
11月末、OTTと地上波・ケーブルが同時期に新作を投入するため、今以上に激しい順位変動が起こるという見方も出ている。
11月2週目、グッドデータコーポレーションTV-OTTドラマ話題性ランキング

1. あなたが殺した / Netflix、14.08%
2. テプン商事 / tvN、12.07%
3. 親愛なるX / TVING, 11.31%
4. 捏造された都市 / Disney+、9.65%
5. ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語 / JTBC、8.71%
6. この川には月が流れる / MBC、 7.39%
7. 私と結婚してくれますか? / SBS、 6.50%
8. キスはしなきゃよかった / SBS、6.13%
9. 次の人生はないから / TV CHOSUN、4.64%
10. 憎らしい恋 / tvN、4.08%
韓国ドラマ『あなたが殺した』が日本原作と異なる点は
韓国ドラマ『あなたが殺した』は、奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』を原作としている。しかし、人物設定から結末・メッセージまで物語全体が大幅に脚色されている。

原作でカナコは大手家電メーカー社員だが、ドラマの対応人物であるヒスは絵本作家として再設定された。主人公たちの年齢も原作の20代後半から、ドラマではウンスとヒスが34歳、ジンピョが40歳と大人の物語へと移行した。職業も大きく変更され、原作でタツロウが銀行員なのに対し、ドラマのジンピョは投資証券会社の副支店長として描かれ、社会的地位・権力構造が韓国の現実に合わせて再構築された。協力者の設定も変わり、原作および日本版のリン・リュウキが中国系不法滞在者だったのに対し、韓国版では朝鮮族不法滞在者のチャン・ガンに置き換えられ、韓国社会の構造的問題が反映された。
最大の違いは結末にある。原作は主人公2人が警察の追跡を逃れて海外に脱出する開かれた結末で、逃亡と生存に焦点が当てられる。一方、ドラマはまったく異なる展開を採用し、2人の物語をその後も継続する。過程で傷・トラウマ・暴力に向き合い、癒やしと連帯を強調するメッセージを打ち出した。原作が社会システムの隙や緊張感に重きを置いたのに対し、ドラマは復讐の代償、被害者の回復、人間的救いといった感情的かつ韓国的な情緒を強めた作品へと拡張されている。
『あなたが殺した』の演出を担当したイ・ジョンリム監督は、こうした変化について、原作が内包する暴力の内面化やトラウマを現実的に癒やしていく過程、そして真の自由に関するメッセージを強調したかったと説明した。登場人物の職業・背景だけでなく、協力者の性別・役割、悪人の処理方法、エンディングまで多層的な改編が施された結果『あなたが殺した』は原作の基本構造を踏まえつつも、結末・設定・テーマを韓国の現実と感情に合わせて再構成した独自の作品として完成した。
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