俳優キム・ギュリが、ブラックリスト訴訟の勝訴後に寄せられた悪質コメントに対し、法的措置に踏み切ると明らかにした。
キム・ギュリは先月30日、自身のInstagramに長文を投稿し、悪質コメントおよび侮辱・名誉毀損に関する告訴を進めると報告した。

キム・ギュリは「ご存じの通り、被告であるイ・ミョンハク(元大統領)、ウォン・セフン(元国家情報院長)を相手にしたブラックリスト関連の損害賠償集団訴訟で2審まで勝訴した。その事実をInstagramに載せたところ『足を引っ張ってやる』『平穏に暮らせなくしてやる』などの脅迫を受けた」と伝えた。
続けて「勝訴を報じた複数の新聞社が記事を芸能面ではなく社会・生活面に配置し、意図的にコメント欄を開放して悪質コメントを誘発した」と主張した。
キム・ギュリは、2008年5月1日に国民の健康への懸念からミニホームページに文章を掲載し、多くの市民の共感を得たが、3か月後、俳優協会の先輩が自宅を訪れ、文章の削除を強要されたと回想した。当時撮影中だった映画『美人図』を挙げ「削除しなければ上から黙っていないと言われた」と脅されたという。
キム・ギュリは「当時、文章を削除するつもりはなかったが、撮影中の映画に支障が出るという言葉に悩み、最終的に非公開にした。奇妙なことに、その頃から悪質コメントが押し寄せた」とし、関連資料を保管していると明かした。
映画『美人図』は無事公開されたが、翌2009年8月、出演予定だったドラマの監督が直接訪れ、契約を取り消すと謝罪した。その2時間後、輸入業者(エイミーエックス)が『PD手帳』のPDらとキム・ギュリを提訴したという記事が一斉に掲載された。翌日はドラマ契約の署名予定日だった。
キム・ギュリは「当時、メディアは徹底して政府寄りで、事実無根の内容で私を歪曲した。輸入業者も私とは因果関係がないにもかかわらず、執拗に私を巻き込もうとした」と振り返った。

輸入会社との訴訟では、キム・ギュリへの請求は因果関係が認められず棄却され『PD手帳』側の勝訴が確定したが、その報道は大きく扱われることはなかった。キム・ギュリは「私のイメージはすでに奈落に落ち、予想もしなかった過酷な出来事が次々と起こった。それが後にブラックリストの始まりだったと知った」と語った。
さらに「私がこうして確信を持って話せるのは、2017年にブラックリスト文書が発見された後、検察で被害陳述を行った際、弁護士と共に私に関する文書を直接読んだからだ。文書は撮影できず、目で読んで記憶するしかなかった」と説明した。
キム・ギュリは「これまで収集してきた資料を基に、悪質コメント・侮辱・名誉毀損に対する告訴を進める。今後は決して黙っていない」と強調した。
キム・ギュリは法律代理人として「法務法人東仁エンターテインメントチーム」を選任し、今後の法的手続きや対外的なやり取りは代理人を通じて行う予定だという。
最後に「いつも応援してくださる皆さんに心から感謝している。また、法律チームを選任できるよう支援してくださった164人のサポーターの方々にも心から感謝している。支援する立場だったのに、このように助けていただき恐縮でもあり、ありがたく、色々な思いが湧いた。本当に感謝している」と伝えた。
国家情報院は最近、「文化界ブラックリストの被害者と国民に謝罪する」というタイトルの資料を発表し、ソウル高裁が「国はイ・ミョンハク元大統領、ウォン・セフン元院長と連帯して原告らに各500万ウォン(約52万8,767円)を支払え」と下した判断について上告を放棄すると明らかにした。
イ・ミョンハク政権当時、ウォン元国家情報院長は「左派芸能人対応TF」を設け、政府に批判的な文化・芸術関係者を排除・圧迫したとされる。2008年5月、米国産牛肉輸入反対のろうそく集会の際、ミニホームページに「狂牛病の牛を丸ごと輸入するなんて。むしろ青酸カリを口に含むほうがましだ」と投稿したキム・ギュリの名前は、その「ブラックリスト」に掲載された。キム・ギュリは2017年に訴訟を起こしていた。
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