
ポン・ジュノ監督が現在、アニメーション映画を制作していることを明かした。
第22回マラケシュ国際映画祭が28日(日本時間)に開幕し、審査委員長を務めているポン・ジュノ監督は29日、「今まさに狂ったようなアニメーション制作の真っただ中にいる。非常に粗削りで大変な作業だ。今朝もホテルの部屋で作業していた。本当にハードだ」と語った。
ポン・ジュノ監督は「おそらく2027年に公開できると思う。とても大変な作業だが、長編アニメーション映画を作ることは自分の夢で、今それを叶えているところだ」と付け加えた。
作品内容について問われると「人類と深海に生息する小さな生命体の間に生まれる、非常に独特で興味深い関係を描く物語だ」と説明した。
新作アニメーションのタイトルは『深海魚』として知られており、製作費は700億ウォン(約74億537万31円)規模に達する大型プロジェクトだ。
ポン・ジュノ監督は審査委員団の記者会見で、AI技術の台頭に関する質問を受け「公式見解としてはAIは良いものだ。人類がようやく人間にしかできないこととは何かを真剣に考え始めた第一歩だからだ」としつつ「だが私的な見解では、私は軍隊を組織し、AIを破壊する任務を与えるつもりだ」と冗談交じりに語った。
共に審査委員を務めるセリーヌ・ソン監督は「ギレルモ・デル・トロ監督の言葉を借りるなら『AIはくたばえれ』と言いたい。AIが地球を破壊し、私たちが映像や音を受け取る過程を植民地化してしまう点を強く懸念している。私が何より恐れているのは、AIが私たちの人生を美しくし、同時に苦しくし、そして生きる価値のあるものに干渉しようとすることだ」と述べた。
俳優ジェナ・オルテガは「観客の気持ちを代弁することはできないが、AIとスクリーンを見る行為が、精神的なジャンクフードのようになる時点に到達してほしい。そうなれば、私たちは突然『何かがおかしい』と感じるようになるはずで、そのとき裏庭の独立映画作家が作った作品が再び興奮を呼び起こすだろう」と語った。
『TITANE/チタン』のジュリア・デュクルノー監督のみがAIを肯定的に評価した。「私の最新作『アルファ 帰還りし者たち』ではCGI制作にAIを用いたが、とても役に立った。ただしAIが人間の作業や相互作用を代替すべきではない。私はAIと芸術的な対話をすることはできない。CGI監督とは、その道具をどう使うかについて創作的対話ができる。AIはあくまで道具として留まるべきだと思う」と話した。
一方、ポン・ジュノ監督は映画祭の開幕式でスタンディングオベーションを受け、温かく迎えられた。「映画を学ぶ学生として貪欲に作品を吸収していた22歳の頃を思い出す。当時の私は映画へのエネルギーと情熱で満ちていた。22回目を迎えるマラケシュも特別なエネルギーに満ちていると感じる」と語った。
マラケシュ国際映画祭は11月28日から12月6日まで開催される。
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