飲酒運転を巡る騒動により公開が無期限延期となっていたTVINGオリジナルシリーズ『ヴィランズ』が、ついにベールを脱ぐ。約3年もの間お蔵入り状態だった作品が再整備を経て12月18日の配信を確定し、業界内外では「ようやく解禁された」との反応とともに大きな関心が寄せられている。各種コミュニティではティザーポスター公開直後から「キャスティングがすごい」「ドラマの次元を超えたラインナップだ」という反応が続いている。

TVINGは『ヴィランズ』を韓国を含むアジア太平洋17カ国および日本(ディズニープラス)で同時公開すると明らかにした。OTT市場で自国制作コンテンツの拡大競争が激化する中、超精巧な偽造紙幣「スーパーノート」を巡って悪党たちが繰り広げる血みどろの争奪戦という題材が、プラットフォームの攻勢と重なり期待を高めている。
「ついに解禁」…クァク・ドウォンの騒動で3年以上止まっていた作品
『ヴィランズ』は2023年公開を目標に撮影を済ませていたが、2022年9月にクァク・ドウォンが飲酒運転の容疑で逮捕され、公開が全面中断された。当時の血中アルコール濃度は免許取り消し基準を大きく上回る0.158%で、制作会社とプラットフォームはすでに撮影が完了していたにもかかわらず公開を断念した。この事例はOTT・放送業界でも異例として語られた。

その後、クァク・ドウォンが出演した映画『消防士』が昨年公開され復帰の兆しを見せたが、今年8月に出演予定だった演劇『欲望という名の電車』も騒動の余波で降板した。『ヴィラン』は主演俳優のスキャンダルにより長く凍結されたOTT作品の1つとなっていた。
しかし、長期の協議を経てOTTでの配信方針が決まり、作品はついに公開へと進むことになった。
超豪華キャスティング…ティザーポスターだけで反応が爆発
関心が集中する最大の理由は超豪華キャスティングだ。ユ・ジテ、イ・ボムス、イ・ミンジョンという重厚な俳優陣の組み合わせは、ティザーポスター1枚だけでも強烈なジャンル感を放っている。

公開されたポスターには、異なる欲望を抱えた3人の鋭い視線が配置されている。
ユ・ジテはジェイ(J)と呼ばれる天才的な犯罪設計者で、カジノディーラー偽造紙幣事件の黒幕だ。
イ・ボムスは元国家情報院・金融犯罪専担チーム長のチャ・ギテとして、ジェイが再び姿を現した瞬間から執拗な追跡に乗り出す。
イ・ミンジョンは最高の紙幣デザイン技術を持つアーティスト、ハン・スヒョンとして登場する。過去の事件で人生が覆り、最終的に盤面をひっくり返すため欲望の渦に飛び込む人物だ。
3人が生み出す対立構図だけでも強いドラマ的凝縮力が生まれ、説明がなくとも作品のトーンが鮮明に伝わる。特にイ・ミンジョンの復帰作である点、そしてユ・ジテとイ・ボムスのツートップ対決という点は、公開前から大きな期待を集めている。

「スーパーノート」を巡る悪党たちの戦争…OTT版「犯罪アクション全面戦争」を予告
作品は超精巧偽造紙幣「スーパーノート」を巡る悪党たちの衝突を真正面から描く。偽造紙幣を本物と交換しようとする者、その金を奪おうとする“強者たち”の戦いという構造は犯罪アクションの典型だが、OTTスケールに合わせより強度の高い設計が施されている。
演出は『シーシュポス: The Myth』』『主君の太陽』『青い海の伝説』など商業性と完成度を認められたチン・ヒョク監督が担当した。『ノー・マーシー許されざる者』のキム・ヒョンジュン監督が脚本で参加した。OTTならではの自由度の高さと緊張感あるテンポが重なり、従来の放送局の枠を超えた強烈な犯罪劇が予告されている。

メイン予告公開…ドラマコミュニティは早くも沸騰
1日に公開されたメイン予告編も反響を広げた。映像は「奴が戻ってきた」というナレーションとともにジェイの登場で幕を開ける。暗闇で銃を構える場面、冷笑的な表情、予測不能な行動など、ユ・ジテの存在感が序盤の空気を圧倒する。
続いてジェイとハン・スヒョンが出会い、完璧な偽造紙幣「スーパーノート」を制作する過程が短く映し出され、2人が5千億ウォン(約531億1,208万5,046円)分の偽造紙幣を手にする場面は作品の緊張感とスケールを象徴する。
続いて「最悪の奴らによる『スーパー』犯罪が始まる」という文言は、作品が提示するジャンルの核心を明確に示している。
予告後半には、交錯する欲望、裏切りの気配、追う者と設計者の対決、逃亡者と追跡者の交差するストーリーが高速で展開し、緊迫したテンポをつくり上げる。特にクァク・ドウォンの出演シーンが予告に含まれておらず、本編での編集方針にも注目が集まっている。
3年の空白を経て…後半期OTT市場の勝負作となるか
『ヴィランズ』は韓国OTT市場が再びコンテンツ競争力を強化しようとするタイミングで公開される点でも注目される。TVINGはジャンル作品の強化を継続しており『ヴィランズ』はその象徴的な作品の1つとして挙げられてきた。超豪華キャスト、独自性のある題材、チン・ヒョク監督の演出という三拍子が揃い、後半期のOTT市場で重要なカードを手にした形だ。
予告だけでも「OTT版ジャンル全面戦争が開く」という声が上がるほどで、公開直後にどのような評価が集まるか注目される。
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