クリストファー・ノーラン監督の次回作で、製作費2億5,000万ドル(約389億3,064万7,095円)を投じた超大作映画『オデュッセイア』が来年7月17日に世界最速で公開されることが明らかになった。
こうした中、22日(日本時間)に配給会社ユニバーサル・ピクチャーズが第1弾予告編を公開し、早くも大きな注目を集めている。

映画はトロイア戦争を勝利へと導いた英雄オデュッセウスが故郷へ帰還するまでの10年間にわたる過酷な旅路を描いた壮大な叙事詩だ。紀元前8世紀ごろにホメーロスが著した同名の叙事詩を原作としており、ノーラン監督のフィルモグラフィーの中でも最も壮大なプロジェクトになるとみられている。
公開された予告編には映画を象徴する場面が凝縮されている。トロイの木馬に潜入する緊迫したシーンから、嵐に翻弄され難破する軍勢の苦難まで、圧倒的なスケールと緻密な美術設計による重厚な映像が展開されている。
中でも、神話に登場する一つ目の巨人ポリュペーモスとの対決シーンは闇の中から圧倒的な存在感を放ち、強烈な視覚体験を予感させる内容となっている。


映画は公開前から豪華なキャスト陣でも話題を呼んでいる。マット・デイモンを筆頭にトム・ホランド、アン・ハサウェイ、ゼンデイヤ、ロバート・パティンソン、ルピタ・ニョンゴ、シャーリーズ・セロンといったハリウッドを代表するトップスターが一堂に会した。交際中のトム・ホランドとゼンデイヤが同じ作品に出演するのは映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』以来3年ぶりであり『スパイダーマン』シリーズを除けば初めてとなる。
技術面でも画期的な試みが行われている。『オデュッセイア』は全編をIMAXフィルムカメラで撮影した初の映画作品とされている。撮影期間は計91日間に及び、使用されたフィルムの総延長は約609キロメートルに達したと伝えられている。さらに『オデュッセイア』のために新たに開発されたIMAX撮影技術が投入された点も注目されている。
撮影はイタリアやスコットランドをはじめ、世界10か国以上でロケーション撮影が行われた。ノーラン監督は「映画監督として、まだ満たされていない映画的領域や、これまで誰も挑戦してこなかったことを常に探し続けている」と語り「成長する過程で数多くの神話映画を観てきたが、ハリウッドのブロックバスター級の予算とIMAXのスケールが生み出す重みと真実味で描かれた神話は、まだ目にしたことがない」と作品制作の動機を明かし、期待を高めている。
これまでノーラン監督は、CGに頼らず実際のセットを用いることで、緻密で現実感のある映像世界を構築し観客に圧倒的な没入感を与えてきた。時間軸が交錯する構成や時に複雑な設定も作品の魅力として受け止められてきた。『インセプション』『ダークナイト』『ダンケルク』『オッペンハイマー』などを通じて、芸術性と娯楽性の両立を実現してきたノーラン監督は、現在最も高い評価を受ける映画監督の一人とされている。
特に昨年公開された『オッペンハイマー』では第96回アカデミー賞において作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィー)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、作曲賞(ルドウィグ・ゴランソン)、撮影賞(ホイテ・ヴァン・ホイテマ)、編集賞(ジェニファー・レイム)を含む7部門を制する快挙を成し遂げている。
ユニバーサル・ピクチャーズの配給責任者であるジム・オアは先に行われたシネマコンで「ホメーロスでさえ誇りに思うような映画的傑作になるだろう」と述べ「一世代に一度現れるかどうかのビジョンを期待してほしい」と語っている。
ノーラン監督はこれまでも、劇場でしか味わえない映画体験の重要性を繰り返し強調してきた。今回の『オデュッセイア』についても大型スクリーンならではの圧倒的な体験をもたらす作品になると期待されている。
『オデュッセイア』は来年7月17日に全世界で公開される予定だ。
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