国内で1,000万人の観客を突破した映画『国宝』が19日に韓国での公開を控え、演出を担当したイ・サンイル監督の国籍への関心が高まっている。

22年ぶりに興行収入100億円突破映画
映画『国宝』はヤクザの家に生まれた少年立花喜久雄(吉沢亮、黒川想矢)が歌舞伎の名門に養子に入った後に繰り広げられる物語を描いている。彼は最も親しい友人でありライバルである歌舞伎名門の御曹司・大垣俊介(横浜流星)と共に終わりなき芸術の道に命を捧げ、国宝の列に名を連ねようとする。
映画は大ヒットを記録中だ。公開9週目に国内実写映画としては22年ぶりに興行収入100億円を突破し、公開15週目に1,000万人の観客を突破した。現在は興行収入166億5,000万円を稼ぎ、『アバター』、『崖の上のポニョ』などを抑えて歴代日本興行収入TOP20の中で14位に入っている。
国内映画市場で歴代興行ランキング上位は通常アニメーションが独占してきた。歴代興行ランキング10位以内にある実写映画も『タイタニック』、『ハリー・ポッター』などごく一部に過ぎない。
実写映画が100億円を超えることも極めて稀である。国内映画チケットの価格は通常2,000円前後で韓国より高めであり話題作でない限り劇場に人が集まりにくい。

監督の三国籍ミステリー
映画の大成功の裏にはイ・サンイル監督の特別なアイデンティティが存在する。1974年生まれの彼は日本で生まれた在日韓国・朝鮮人3世だ。彼は普段から自らのアイデンティティについての悩みを語るなど、彼の作品にはアイデンティティの混乱というテーマが内包されている。今回の映画でも主人公喜久雄がヤクザの家系という背景のために社会から疎外される姿は彼自身の人生を投影したものだという解釈も存在する。
イ・サンイル監督の国籍は不明である。韓国系の名前を使用しており、釜山(プサン)国際映画祭など一部の資料で国籍が韓国と表記されたこともあるが、確実ではない。
また在日韓国人3世で、過去に朝鮮総連系学校に通っていた学歴があり、朝鮮学校の教師だった父親に従って国籍が北朝鮮であった可能性も推測されるが、これは最も低い可能性である。
最も有力な国籍は日本であり、日本で生まれ教育を受け、対外的に日本の映画監督として活動しているため、その可能性が最も高い。
彼は過去のインタビューで「日本名に改名すれば楽だが、それは何かを隠すことのように感じる。もし改名すれば、そこから来るストレスが大きいと思う」と述べたこともある。

出演陣も国宝
映画は有名作家吉田修一のベストセラー同名原作を基にしている。
吉沢亮は劇中喜久雄の劇的な人生を完璧に演じきったと称賛された。これに加えて横浜流星、渡辺謙、田中泯、そして映画『化物』で注目を集めた子役黒川想矢など、日本を代表するベテラン俳優たちが力を合わせて作品の完成度を高めた。
さらに映画『キル・ビル』の美術、『アデル、ブルーは熱い色』の撮影を担当した超豪華な制作陣も参加しており、多くの人々の注目を集めている。
『国宝』は第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に招待され、作品性が認められた。また第98回アカデミー賞国際の映画賞出品作にも選ばれた。
映画『国宝』は19日に韓国で公開を控えている。
		
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