韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による非常戒厳騒動後、主要国が韓国訪問に注意を促しており、訪韓観光客の減少において懸念の声が高まっているということが明らかにされた。その反面、インドのメディアはこのような現状をむしろ韓国旅行の好機として評価し、対照的な見解を示したという。
インドのメディア「カリテールズ」は去る5日「韓国の一部地域で警備は強化されているが、観光活動に大きな制約はない」とし「為替レート下落で旅費があまりかからない今こそが韓国訪問の好機だ」と報じた。ソウル外為市場によると、ウォン・ドル為替レートは非常戒厳令宣言後、1440ウォン(約150円)台にまで上昇し、旅行者にとって有利な為替環境ではあるという。
外国人観光客にとっては、旅費削減というメリットをもたらすだろう。同メディアはこのような事態について「非常戒厳下での思わぬおトク特典」と表現し、旅行者が最新の勧告事項をしっかりと確認しながら慎重に計画を立てるのであれば、安全に韓国旅行を楽しめると説明した。
しかし、主要国では依然として懸念する声が大きいと言われている。アメリカ、イギリス、日本などは韓国の情勢不安を理由に自国民に渡航警報を発令したのだ。このように、米国務省や英外務省をはじめ、フランス、ドイツ、イタリア、シンガポールなども程度の差はあるものの、韓国訪問に注意を呼びかけているという。在韓米軍司令部も在韓米軍やその家族、民間人職員に対し、韓国内で移動する際には注意するよう喚起したということが明らかにされた。
このような渡航警報発令後、外国人観光客の訪韓キャンセルが相次いでいる。旅行・航空業界によると、サウジアラビア王子を含む大規模な団体客の旅行がキャンセルされるなど、訪韓需要の減少が現実化しているという。これにより、韓国国内の航空、宿泊、飲食業など関連産業は大きな打撃を受ける可能性があるとの懸念が出されている。
これまで韓国における外国人観光客数は増加傾向にあった。韓国観光公社によると、今年10月に訪韓した外国人観光客数は160万人で前年同期比30.1%増であり、2019年同期の97%水準にまで回復したという。また、今年1〜10月の累計訪韓者数は1374万人で、前年比54.7%増加したことが分かった。外国人観光客の増加により、10月のサービス業生産は前月比0.3%増となり、内需市場に活気をもたらしていたのである。
しかし、非常戒厳と弾劾政局による情勢不安が続く場合、観光客減少はもちろんのこと、韓国国内の内需経済にも悪影響を及ぼす可能性が高いだろう。このような事態に対し、韓国政府は在外公館に外交文書を送り「民主的手続きに従って非常戒厳令は解除され、公共の秩序は維持されている」として、渡航警報の調整を要請したということが明かされた。
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