韓国で、タバコの離脱症状に関する画期的な研究が行われた。
韓国科学技術研究院(KIST)の研究チームが、離脱症状をコントロールする新たな脳領域を特定することに成功したのである。
この研究は、タバコの離脱症状がパーキンソン病と類似した運動障害を引き起こす脳領域と関連があるという点に注目したとされている。
研究チームは、手の震えなどタバコの離脱症状がパーキンソン病と似た症状を示すことに着目し、脳の線条体領域内のコリン作動性介在ニューロンについて研究したという。このニューロンのナトリウムチャネルの発現をコントロールし、神経細胞の活動を低下させるというマウスの動物実験を行った結果、ニコチン離脱による手の震え症状が大幅に減少することが明らかになったのだ。
また、米食品医薬品局(FDA)承認のパーキンソン病治療薬プロサイクリジンを、ニコチン離脱誘発前の実験用マウスに低用量で1回投与してみた結果、手の震えが50%以上減少することも発見したとされている。
これにより、パーキンソン病治療薬がニコチンの離脱症状を緩和できる可能性が示されたのである。
主任研究員のイム・ヘインさんは「離脱症状による日常生活への影響を軽減し、新たな治療選択肢を提供する点で意義がある研究結果だ」と述べた。
一方、禁煙を決意する喫煙者が年々減少しているという統計も発表された。
去る5日、疾病管理庁が発表した「2023年国民健康栄養調査」によると、19歳以上の成人喫煙者のうち「今後1ヶ月以内に禁煙する計画がある」と回答した人はわずか13.1%に過ぎないという。これは2005年以降、最低の数値であるということが明らかにされた。
また、年齢層が低いほど禁煙を計画する割合も低いことが分かった。19~29歳の喫煙者で「禁煙を計画している」と答えたのは9.2%のみであり、30代は13.5%、40代は12.7%、50代は12.4%、60代は17.9%、70代以上では17.8%という結果となったのだ。
喫煙者の禁煙計画率は、近年低下傾向にあるという。この項目が、初めて調査項目に追加されるようになった2001年には7.1%、その次の調査年である2005年には11.0%であったが、年次調査へと変更になった2007年以降は概ね20%前後で推移しているのだ。禁煙を計画している喫煙者の割合は最近3年連続で減少しているとし、2023年には2回目の調査年である2005年以降、最低の数値を記録したという。
韓国の国立がんセンター国際がん大学院のミョン・スングォン大学院長は「自力で禁煙する人の成功率は3~5%にすぎない」と指摘し「医師の助言や専門家のカウンセリング、薬物療法などを併用することで成功率を高めることができる」と述べた。
さらに「効果的な禁煙補助薬の成分(バレニクリン)も利用可能なため、専門家の支援のもと禁煙に挑戦することをお勧めする」とアドバイスした。
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