中国で「離婚撮影」ブーム

先日、中華圏のメディアによると、中国・上海在住の写真家ズウェイが昨年末に「離婚撮影」の依頼を受けた。
依頼したのはある夫婦で離婚手続きを終えた後、地方民政局を出発し、一緒に散歩しながら会話する様子や別れの瞬間を撮影してほしいという内容だった。動画と数枚の写真を含むパッケージの料金は1800元(約3万7,500円)だった。
撮影を終えたズウェイがオンラインにその映像を投稿すると、他の離婚夫婦からの依頼が相次いだ。ズウェイは「顧客のほとんどが30〜35歳の女性」と述べ、「現在、離婚撮影の依頼はウェディングやプロポーズ撮影をはるかに上回っている」と語った。
また、別の写真家シャオジャオは、離婚撮影の依頼を減らすために料金を50%引き上げたものの、依頼の増加を抑える効果はなかったという。
中国民政部が発表した最新の統計によると、昨年の婚姻届出件数は610万件で、前年比20.5%減少した。2013年に1300万件に達したが、それ以降、継続的な減少傾向を示している。一方、昨年の離婚件数は260万件で、前年より2万8000件増加した。
専門家は、婚姻率の低下について、社会構造の変化によるものと分析。特に、経済の不確実性、結婚や出産に対する価値観の変化、高齢化の加速が主な要因として挙げられている。
現在、中国では就職の不安定さや住宅価格の高騰、借入負担の増加などの影響で、伝統的な家族観が薄れつつあり、個人の幸福を優先する価値観が広がっている。また、平均結婚年齢の上昇に伴い、結婚を先延ばしにする傾向も強まっている。
こうした状況を受け、中国政府は婚姻件数の増加を促すため、昨年9月に5000組以上が参加する合同結婚式を開催した。
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