コロナ禍以降、韓国のR19映画で最高興行を記録した映画『野党(原題)』が今月23日から各オンライン動画サービス(VOD)でも視聴できるようになった。

ファン・ビョングク監督が演出を担当し、俳優カン・ハヌル、ユ・ヘジン、パク・ヘジュンが主演を務めたこの作品は韓国で4月16日に公開されて以来現在までに337万人の観客を動員し、R19の韓国映画としては『悪人伝』(2019年)以来6年ぶりとなる300万人突破の快挙を達成した。
元公務員で麻薬組織と捜査当局の間で情報を売買するブローカー「野党」となったイ・ガンス(カン・ハヌル扮)、出世欲に燃える検事ク・グァンヒ(ユ・ヘジン扮)、執拗に追う麻薬捜査班の刑事オ・サンジェ(パク・ヘジュン扮)が入り乱れる頭脳戦を描いた映画である。タイトルでもある「野党」は麻薬捜査の現場で実際に使われる用語で、捜査当局に情報を流す麻薬犯や仲介ブローカーを指す。いつでも切り捨てられる危うい立場を象徴する言葉だ。

公開直後から韓国での反響は大きく、初日から14日連続で韓国のボックスオフィス1位、4週連続で週末興行トップを獲得した。損益分岐点の250万人を難なく超え、今年に公開された韓国映画で最大のヒット作となった。「NAVER映画」の評価8.91点、「CGVゴールデンエッグ指数」で97%の満足度、「ロッテシネマ」の観客評価9.4点など、観客の支持も厚い。俳優陣の没入感の高い演技、緊張感ある展開、リアルなストーリーテリングが高く評価されている。観客からは「言葉の意味を映画で初めて知った」、「俳優たちの演技が素晴らしい」、「カン・ハヌルの演技が特に際立つ」といった声のほか、「ありきたりのストーリーを演技力で凌駕した」、「今年最高の韓国映画だ」と称賛の声が続出している。

映画界ではこの作品を「麻薬組織が舞台である映画『インサイダーズ/内部者たち』のようだ」とも言われ、問題提起と娯楽性を兼ね備えた栄作との評価が高い。麻薬捜査というデリケートな社会問題を通じ、権力と真実の間で揺れる人物たちの葛藤をリアルに描いた点が注目された。今月23日からは韓国のKT Genie TV、SK Btv、LG U+ TVなどIP放送各社のほか、ホームチョイス、KTスカイライフ、Wavve、Watcha、Apple TV、Coupang Playなど多彩なOTTプラットフォームで配信を開始された。劇場で見逃した人はもちろん、再度映画を観たい人も自宅で気軽に楽しめる。『野党』は現在も韓国の劇場で上映中で、大型スクリーンかVODか、好みに合わせて鑑賞することができる。
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