
俳優ソン・ヨンギュ(55)が4日に突然亡くなり、過去の番組で語られた家庭の事情が再び注目されている。
2020年12月21日放送のtvNバラエティ『斬新な定理 』では、第24人目の依頼者としてソン・ヨンギュが出演。同番組は家庭内の物品整理のノウハウを共有する内容である。
当日は家の整理に先立ち、胸に迫る逸話を語られ、出演陣の心を打った。

1年前に娘の教育支援のため、広いアパートから半地下へ引っ越したとする彼は、「長女は米国で留学中、次女はミュージカル系芸術高校に進学した」と述べ、娘たちをしっかり支援するために生活規模を縮小せざるを得なかったと語った。
また、体調を崩す妻への心配も語り、「妻は年齢とともに更年期を迎え、甲状腺機能亢進症、うつ病、睡眠障害に悩まされ、今もその状態が続いている。家が狭くなる中で整理しようとしても手が出せず、非常に心苦しい」と嘆いた。
さらに、「自分も家に入るたびに気持ちが沈むが、妻はもっと苦しいのではないかと心配した。整理を機に、妻がより活動的になり健康を取り戻してほしい」と番組依頼に至った経緯を明らかした。
当時、多くの依頼者が多彩なエピソードを抱え『斬新な定理』を経験していたが、中には単に家の整理だけを望む依頼もあり、視聴者の共感を得にくいケースもあった。
しかし、彼の場合は、俳優として個人の事情を明かすのは難しいにもかかわらず、家長・夫としての責務を果たすために助けを求めた点が特筆された。

また、ソン・ヨンギュ夫妻は整理チームとともに家中を回り、数々の思い出を振り返った。無名の俳優として苦労し、実家暮らしで結婚生活を始め、生活のためにあらゆる仕事に従事してきたという内情が明かされた。
彼は「当初はあまりにも貧しかったため、仕方なく実家暮らしを余儀なくされた」と述べ、少し前までは高層ビルの窓掃除を行っていたエピソードも公開した。
スタジオのシン・エラの「周囲の人が気付くでしょ」問いに対し、「周囲はしっかり僕のことを認識していた」と笑顔で語り、その上で気付いてくれることに感謝していると謙虚に答えた。
テレビやスクリーンからは見えなかった彼の人間味が感じられ、視聴者に静かな感動を与えた。
一方、ソン・ヨンギュは4日午前8時ごろ、京畿道龍仁市処仁区(キョンギド・ヨンイン市チョイン区)の車内で亡くなった状態で発見された。
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