公開前から斬新なモチーフで世界の映画祭を席巻し、韓国オカルト映画の底力を改めて示した作品が、華麗な受賞歴と新鮮なキャスティングで観客の関心を集めている。

『Only God Knows Everything』は、神に仕える立場にある神父ドウンは、ある日懺悔室で「私は13年前、あなたの母親を殺した」という衝撃的な告白を耳にする。その言葉によって封じ込めていた記憶と感情が揺さぶられ、信仰者としての務めと息子としての復讐心の間で葛藤することになる。作品は、彼の中で眠っていた探究心が再び呼び起こされ、複雑に絡み合う事件の真相を追う姿を描いたミステリー・サスペンスだ。
映画『ダブルパティ~僕たちの逆転ストーリー~』のペク・スンファン監督がメガホンを取り、シン・スンホ(神父 チョン・ドウン役)、ハン・ジウン(刑事 ユン・ジュヨン役)、パク・ミョンフン(シャーマン シン・グァンウン役)、チョン・ソミン(ペク・スヨン役)が主演を務める。

ハリウッドまで席巻…公開前から輝かしい受賞歴
2025年の富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭に公式招待された『Only God Knows Everything』は、京都国際インディペンデント映画祭とモントリオール・インディペンデント映画祭で主演男優賞を受賞。さらに、トロント・アートフィルム・スピリット賞とニューヨーク国際インディペンデント映画祭で最優秀監督賞、シネマトグラフィー&フォトグラフィー賞で最優秀アジア映画賞、主演男優賞、主演女優賞を獲得するなど、輝かしい受賞歴を打ち立てた。
このほかにも、シカゴ・ウーマン・フィルムフェストのベストプロデューサー賞やサンタフェ・ムービー・アワーズの最優秀長編映画賞、ハリウッド国際ダイバーシティ映画祭の最優秀監督賞および主演男優賞、サンタバーバラ国際映画祭の最優秀長編映画賞など数々の賞を受賞し、作品性は多方面で高く評価されている。

シン・スンホ主演、観客の期待が集まる理由
シン・スンホは映画『ダブルパティ~僕たちの逆転ストーリー~』で主演を務め、ペク監督とタッグを組んだ。その後、ドラマ『D.P.-脱走兵追跡官-』での演技が注目を集め、広く名を知られるようになった。
今回の新作では初めての役柄に挑戦している。「台本を読んだ際、これまで一度も経験したことのない役だった」と振り返り、「自身のフィルモグラフィーに重ならない神父役を演じてみたいと思った」と語った。
さらに「自分には強く重いイメージがあると常に感じていた。父親に似て無意識に眉をひそめる癖があるが、それを和らげることで観客に自然に受け入れられるよう努めた」と役作りの工夫を説明。「劇中では信者と人間の間で葛藤する主人公ドウンの行動が予測できないよう意識した。ラストで観客が『こういうことだったのか』と納得できるようにすることを目指した」と付け加えた。

予告編公開後、ネット上では「キャスティングは神の一手」「重厚なトーンと表情が主人公にぴったり」「試写会で観たが、低予算ながら完成度の高い作品」「演技に引き込まれ時間を忘れた」「余韻が残る映画」「格好良すぎる」「没入感がすごい。公開されたら必ず観たい」など好意的な声が相次いでいる。

人気バラエティ番組『ランニングマン』で親しまれるチョン・ソミン、俳優としての真価を発揮
『ランニングマン』で披露したドジなキャラクターにより、俳優としての本質が再び注目されたチョン・ソミン。今回の作品では前例のない強烈な演技変身に挑み、予告編だけでネットユーザーに衝撃を与えた。
チョン・ソミンは「私を選んでいただき感謝している。新たな姿を見せることができ、大きな挑戦になると感じた」と語り、「シナリオを集中して読み込み、役に貢献したかった。パク・ミョンフン、ハン・ジウン、シン・スンホとの良いシナジーにも期待している」と心境を明かした。
さらに「この作品を断る理由はなかった。挑戦すべきだと思い、大きなチャンスと変身につながると感じて迷わず選んだ」と続けた。
ペク監督もチョン・ソミンへの信頼を示した。「ドラマ『ショーウィンドウ:女王の家』を見て、何事にも屈しない強い眼差しと魂を感じた」と述べ、「長い議論を経て出演を決めた。女優にとって難しいシーンや高いエネルギーを必要とする場面もあったが、彼女のおかげで撮影を進めることができた」と振り返った。

公開前の特価イベントも実施
公開前のプロモーションとして、来る20日と21日には、7,000ウォン(約740円)という特別価格で映画を鑑賞できるイベントが実施される。
この特価イベントは、CGV、ロッテシネマ、メガボックスの各上映館で開催され、特別回の予約時に「プレミア7,000ウォン特価イベント」として該当する価格で鑑賞できる仕組みだ。
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