ディスパッチが俳優チョ・ジヌンの暴行疑惑を追加で報道した。過去の少年犯前歴が知られているチョ・ジヌンが映画界で活動中にも後輩俳優やスタッフに暴力を振るったという証言が出てきた。

8日、ディスパッチはチョ・ジヌンが2010年代にある映画の撮影後の飲み会で暴行を行ったという疑惑を報じた。当時、端役で出演した新人俳優A氏は2次会のカラオケでチョ・ジヌンに特定の歌を歌うよう要求された。A氏が「その歌は知らない。申し訳ない」と答えると、チョ・ジヌンが「先輩が指示しているのに無視する」と言いながらA氏の顔に氷の入った桶を投げたという。
A氏はディスパッチとのインタビューでチョ・ジヌンを「トラウマ」と表現し、当時受けた衝撃と侮辱感が俳優活動をする間ずっと消えなかったと語った。
この他にも俳優B氏とC氏、マネージャーD氏とE氏がディスパッチに「酒の席で頬を叩かれ、蹴られた」と証言した。チョ・ジヌンと撮影を共にした映画関係者F氏は「過去も問題だが、現在まで問題だから問題だ」と述べた。
ディスパッチは今回の報道でチョ・ジヌンと所属事務所が8年前から過去の前歴を知りながら沈黙していたという疑惑も提起した。ディスパッチは2017年にチョ・ジヌンに関する情報提供を初めて受け、所属事務所SARAMエンターテインメントの代表に確認を求めたが、当時の代表は「俳優に直接確認してみた。あり得ない話だ」と否定したという。
チョ・ジヌンは5日、車両窃盗と性暴行に関与し、高校2年生の時に特定犯罪加重処罰法上の強盗強姦の容疑で刑事裁判を受け、少年院に送致されたという疑惑が報じられ、論争に巻き込まれた。また、成人後も20代の時に劇団の仲間を暴行し、罰金刑を受け、30代には飲酒運転で免許取消処分を受けたという前歴も明らかになった。
チョ・ジヌンは報道の翌日である6日、過去の過ちを認め、「俳優の道に句点を打とうとしている」と芸能界引退を宣言した。彼は「これが私の過去の過ちに対して負わなければならない当然の責任であり義務だと思う。今後、一人の人間として自ら立ち直れるよう最善を尽くして反省する」と述べた。

チョ・ジヌンの引退発表後、政界と芸能界の一部では彼を擁護する声が上がった。共に民主党のキム・ウォニ、パク・ボムゲ議員は「青少年時代の過ちをどこまで、どう、いつまで責任を負わなければならないのか」、「大衆にイメージ化された彼の現在の姿は忘れられた記憶と微塵も共存できないのか」と述べ、再起の機会を与えるべきだと主張した。俳優チョン・ジュンも「兄が負うべき罪の代償は兄の幼少期に支払ったと思う」とし、「私たちは今、許しという言葉をどう使うべきか考えてみたい。兄、今はダメだ」と引退を思いとどまらせた。
しかし、ディスパッチの今回の報道により、チョ・ジヌンが少年院を出所した後、慶星大学に入学し、劇団に入団し十分な再起の機会を得たにもかかわらず、成人後も暴行や飲酒運転などの犯罪行為を繰り返した事実が再注目された。特に2017年に所属事務所に確認の要請が入った際に事実を明らかにする機会があったにもかかわらず、8年間沈黙を貫いた点で論争が大きくなっている。

2004年の映画『マルチュク青春通り』でデビューしたチョ・ジヌンは、これまで正義感の強い刑事役を主に演じ、模範的なイメージを築いてきた。光復節の祝賀式で国旗への宣誓文を朗読し、映画『大将キム・チャンス』で青年金九を演じ、独立戦争史のドキュメンタリーのナレーションや洪範図将軍の遺骨返還国民特使としても活動した。
ディスパッチはチョ・ジヌンの演技活動が反省の産物ではなく、過去がバレなかったからこそ可能だったと主張した。また、学校暴力や飲酒運転で活動を中断した他の芸能人たちとは異なり、チョ・ジヌンだけが特別扱いされる理由はないと強調した。
俳優チョ・ジヌンの前所属事務所SARAMエンターテインメント側は8日、暴行疑惑に関して「チョ・ジヌンは現在、芸能活動をすべて終え、引退した状態だ」とし、「俳優が引退を宣言した状況で今回の件について別途公式な立場をお伝えすることが難しい点をご理解いただきたい」と慎重な立場を明らかにした。
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