俳優ハン・ソヒとチョン・ジョンソが共演するだけで、大衆や映画業界に大きなインパクトを与える映画『プロジェクト Y』。
7日にポスターと予告編が公開され、期待感が一気に高まった本作は、公開前から海外有数の映画祭にも招待され、その存在感を見事に証明している。

📽️ ヒロイン二人の犯罪ドラマ、ジャンルに革新をもたらす
『プロジェクトY』は、全てを失った二人の女性、ミソンとドギョンが偶然手に入れた闇資金と金塊を巡る犯罪ドラマである。シンプルなストーリーながらも、その背後には重厚な情熱が込められている。苦境から脱却し生き延びるため、既存の秩序に挑む彼女たちの闘いは、韓国型女性バディムービーの新たな時代の幕開けを告げる。
本作が特に注目されるのは、世界的影響力を誇る第50回トロント国際映画祭スペシャルプレゼンテーション部門に招待された点である。これは、グローバルな観客に韓国女性映画の新たな魅力を示す象徴的な意味を持つ。
📽️ ローンチポスターと予告編だけで視線を集める

公開当日のポスターには、暗い夜の街を颯爽と歩むミソン(ハン・ソヒ)とドギョン(チョン・ジョンソ)の力強いツーショットが映し出されている。ドギョンは帽子を深く被り無表情で歩き、ミソンは周囲を鋭い眼差しで見渡す。二人の服装と態度は、従来の受動的な女性像を完全に払拭し、堅牢で主体的なイメージを際立たせている。「計画は完璧だった」というキャッチコピーは、彼女たちの犯行が綿密に計算された作戦であることを示し、作品に一層の緊張感をもたらしている。
予告編では、ドギョンの「一か八か、全力で行くしかない」というセリフと、ミソンの「マジ全力で行くしかない」という返しが印象的で、二人が単なる共犯者ではなく、生存と脱出のために闘う決意を示している。カー・チェイスや緊迫した逃走シーン、感情の爆発が連続し、映像の終盤に「二人の共犯者、一度限りのチャンス、後悔はない」というメッセージが現れることで、本作が単なる犯罪映画に留まらず、登場人物を中心とした深いドラマであり、解放の物語であることを示唆している。
📽️ 『テルマ&ルイーズ』以来、再び語られる女性バディムービー

『プロジェクト Y』は、単なる女性主人公の映画ではなく、女性の視点からジャンルのルールを再構築した物語として、1991年作『デルマ&ルイーズ』との類似点が明確である。『デルマ&ルイーズ』は、男性中心のロードムービーや西部劇、犯罪映画に挑戦した代表的な女性作品であり、二人の女性が逃走中に起こる事件を通じて社会秩序に抗し、友情、解放、そして独立のメッセージを発信した。これは単なるストーリー以上に、ジャンル自体を女性化する記念碑的な試みと評価されている。
『プロジェクト Y』もまた、二人の女性が牽引する「ロード+バディ+犯罪+ドラマ」ジャンルを、韓国映画において新たに実現する試みである。単なる模倣を超え、韓国社会と都市空間における女性の生存戦略を描いた物語として、いわばローカライズされた『デルマ&ルイーズ』と呼ぶことができる。
📽️ ハン・ソヒ、チョン・ジョンソ、その名だけで醸し出される緊張感

主演のハン・ソヒとチョン・ジョンソは、ジャンル映画と感性劇の両面でその実力を証明してきた。ハン・ソヒは『マイネーム: 偽りと復讐』や『京城クリーチャー』で見せた激しいアクションと内面の表現により、弱い女性像を打破するイメージを築いてきた。チョン・ジョンソも『バーニング』や『ザ・コール』などで、ミステリアスかつ予測不可能な役柄を見事に演じ、独自の存在感を放ってきた。
二人が初めて同じ画面に登場すること自体が、本作の最大の魅力となっている。互いに異なる個性を持つ彼女たちの共演は、自然な緊張感と絆を生み出し、物語の核をしっかりと支えている。
📽️ 韓国型女性バディムービーの誕生、ジャンルの境界を打ち破る試み
これまで、韓国映画で女性が主役となるバディムービーは稀であった。男性中心の犯罪やアクション映画が多い中、女性は脇役に追いやられがちであったが、『プロジェクト Y』はその体制に正面から挑戦している。
二人の女性が共犯者として犯罪を計画し、都市を舞台に逃走する中で、連帯と葛藤、そして感情が爆発する物語は、韓国映画に新たな風を呼び込む。映画的な面白さ、スタイル、そして感情が見事に融合することで、『プロジェクト Y』は単なる映画一作に留まらず、韓国型女性バディムービーの幕開けとなるだろう。
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