俳優イ・ビョンホンとソン・イェジンの会話シーンが注目を集めた。
二人は映画監督パク・チャヌクの新作『仕方ない』で主演を務め、共演した。
24日にYouTubeに公開された「接続ムービーワールド」インタビュー映像には、イ・ビョンホン、ソン・イェジン、パク・ヒスンが登場した。
ソン・イェジンが映画で演じたミリという役柄は、夫が失職する前まではさまざまな趣味生活を楽しんでいた主婦だった。そのため、そうした日常を見せるシーンを撮影する必要があったという。

ソン・イェジンは「ダンス練習を本当にたくさんしたのに、映せる部分が少なく編集されてしまった」とし、「ところがマンス(イ・ビョンホン)が入ってきて一人で踊るシーンがあり、監督がそれをすごく長く撮っていた。先輩は練習もしていなかったのに、完全に即興で踊った。私は何ヶ月も練習したのに…」と付け加えた。

隣にいたイ・ビョンホンは笑いながら「本当は二人で踊る場面で、僕が少し下手に踊ればミリが僕を導く役割だった」と話し始めた。するとソン・イェジンはイ・ビョンホンを軽く叩き「その次は何を言おうとするの」と遮り、「ストップ!」と口を塞ぐ仕草まで見せた。

しかしイ・ビョンホンは話を止めなかった。彼は「実際には練習に数回しか行かなかったのに、イェジンさんはほとんど毎日来ていた。『一体どれだけ上手くなろうとしているんだろう』と思った。ところが現場でリハーサルしたら全然合わなかった」と語った。

するとソン・イェジンは「それが合わなかったのは、先輩が普段通りにやらなかったから。私は先生と踊れば本当に上手い」と反論し、イ・ビョンホンは「それは僕も同じです」と答えた。

このやり取りがさらに注目を浴びたのは、ソン・イェジンがすでに制作報告会でもダンスに関する発言をしていたからだ。
19日の制作報告会でソン・イェジンは「ダンス練習を数ヶ月したのに、その部分が編集された」と話していた。
並んで座っていたパク・チャヌク監督はただ静かに笑うだけで、進行役のパク・ギョンリムが「そのシーンが編集されたそうですが」と言葉を添えても、監督は何の答えも返さなかった。当時イ・ビョンホンもダンスシーンについては何も言わなかった。
さらに制作報告会での二人のやり取りも大きな話題となった。
ソン・イェジンが共演した子役について「出産後初めての作品なので、子どもと一緒にいる姿がとても自然だった」と話すと、隣にいたイ・ビョンホンは「僕が現場で見た姿は少し違った」と発言したのだ。
イ・ビョンホンは「リウォン役の子が家で撮影する際にずっと僕たちに質問をしていた。僕は答えているうちに手一杯になったが、(ソン・イェジンさんは)一度も答えなかった。それが何度か繰り返されたので『イェジンさん、子どもが質問したら答えてあげてください』と言ったら、『そういうのは先輩がやってください。私は感情に没入しないといけない』と。今こうして母性愛を語っているのを聞くと…ああ、心ではそうだったんだなと思った」と語った。
この発言をきっかけにソン・イェジンをめぐる議論が起こり、子役の母親までもがSNSで「ソン・イェジンさんは子どもにプレゼントもくれて、とても優しく接してくれた」と投稿した。
一方『仕方ない』は9月24日に公開される。主人公ユ・マンス(イ・ビョンホン)は製紙会社で25年間勤めたベテランだった。妻ミリ(ソン・イェジン)、二人の子ども、愛犬と共に安定した生活を送り「すべてを成し遂げた」と感じていたが、ある日会社から届いた一通の解雇通知ですべてが崩れる。会社側の「申し訳ありません、仕方がないんです」という言葉は、マンスの人生を根底から揺るがす刃となる。
マンスは家族と家を守るため、3か月以内に再就職すると誓うが、1年以上スーパーのアルバイトや面接を繰り返すも成果は出ない。やがて住まいまで危機にさらされると、彼は決断する。「自分のための席がないなら、自ら作ってでも再就職を成功させる」と。
彼は再就職のために緻密で残酷な計画を実行に移し、有能で若い競争者たちを一人ずつ排除しながら生き残りを懸けた行動を続ける。その過程で彼が受けてきた企業システムの暴力性を内面化し、自ら「怪物」となっていく姿を冷笑的な視点で描き出す。
本作は単なる犯罪ドラマにとどまらず、スリラーとブラックコメディが融合した作品である。パク・チャヌク監督はこれを「悲しくも可笑しい」「不条理なユーモアを込めた物語」と表現した。
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