『ゾンビになってしまった私の娘』よりも速かった。アニメ映画『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』が公開からわずか10日で観客動員300万人を突破し、今年公開作の中で最速の興行記録を打ち立てた。

映画館入場券統合電算網によると『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』(外崎春雄監督)は31日午前、累計観客数301万2,116人を記録した。これは公開10日で達成した成果であり、今夏の韓国映画界を席巻したチョ・ジョンソク主演のコメディ映画『ゾンビになってしまった私の娘』(公開11日で300万人突破)を1日上回る速度で、今年最高の興行スピードを誇る結果となった。
特にこの成果は前作『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』(2021)が222万人を集めるのに要した期間を4日短縮した記録である。さらに日本アニメの韓国国内興行ランキングでも新たなマイルストーンを打ち立てた。累計301万人を達成し、宮崎駿監督の『ハウルの動く城』(2004)を抜き歴代日本アニメ興行4位に躍り出た。
20代観客、劇場に戻る
興行旋風の中心には「20代観客」がいる。マルチプレックスCGVによると29日時点の前売り分布で20代の割合が43%に達し、全世代の中で最も高い比率を示した。30代(25%)、40代(16%)、10代(10%)が続き、50代以上は5%にとどまった。

これはコロナ禍以降、チケット値上げやOTTプラットフォームの拡大で劇場から足が遠のいていた20代が再び映画館に戻ってきたことを示している。映画専門メディア「マックスムービー」も「20代の回帰が今回の作品の興行に決定的な役割を果たした」と分析した。一方、今年興行1位となった『ゾンビになってしまった私の娘』は40代観客が33%で最も多く、家族層に依存する傾向を見せた。
原作・演出・ストーリー三拍子揃う
『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』は吾峠呼世晴原作の同名漫画を基にしている。2019年のTVアニメ放送開始以降、世界的な人気を獲得し、2020年の『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』は日本で約4,000万人を動員し日本歴代興行1位を記録した。
今回の『無限城編』はシリーズ2作目の劇場版で、最終ボス・無惨と炭治郎一行の決戦を描く。全3部作で企画された作品の第1部であり、圧倒的なスケールと演出が観客を惹きつけた。日本でも7月18日に公開され、17日で1,000万人、24日で2,000万人を突破し既に大ヒットを証明している。

観客の反応「言うまでもなく圧倒的」
韓国国内観客の反応も爆発的である。NAVER実観覧客スコアは31日基準で9.07を記録。レビューでは「最高の映像美と圧倒的なサウンド」「鼓動が止まらなかった」「一瞬も見逃せない没入感」「今年最高のアニメーション」と絶賛が続いている。
特にファンは「斬っても斬っても断ち切れない怨念を抱いたキャラクターたちの感情線が胸を打った」「単なるアニメではなく大作映画級のスケール」と作品性を高く評価。アクション演出に加え、原作漫画が持つドラマチックな感情の深みが観客に強烈な印象を残したと分析される。
国内アニメ興行勢力図を揺るがすか
業界は今回の『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』の成功が単なるヒットにとどまらず、韓国劇場市場の構造にも変化をもたらすと見ている。これまで日本アニメは『ハウルの動く城』『千と千尋の神隠し』『君の名は。』など一部作品のみが成功してきた。しかし『鬼滅の刃』シリーズは連続して観客動員に成功し、アニメーションジャンルの地位をさらに確固たるものにしている。

今年の興行版図を塗り替えるか
『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』は公開10日で300万人を突破し、瞬く間に今年興行2位を脅かす存在となった。『ゾンビになってしまった私の娘』が500万人を突破し首位を守っているが、『鬼滅の刃』が記録的スピードを維持すれば秋夕(チュソク)連休まで長期ヒットを続ける可能性が高い。
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