劇場の料金高騰とデジタル疲れが進む中、Netflixが実績ある『ワイルド・スピード』シリーズを取り出した。

9月2日公開の本シリーズは全6作品で、初期のストーリーから本格的なアクション・ブロックバスターへの転換点までを描いている。
収録作品は、『ワイルド・スピード(2001)』、『ワイルド・スピードX2(2003)』、『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(2006)』、『ワイルド・スピード MAX(2009)』、『ワイルド・スピード MEGA MAX(2011)』、『ワイルド・スピード EURO MISSION(2013)』の全6作で、韓国では累計約1,860万の観客を動員し、各作品で劇場の観客動員数が増加する希少な例となっている。
第1作『ワイルド・スピード』は2001年に控えめに公開されたが、シリーズが進むにつれて知名度が確実に上昇した。2006年の『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』は韓国で約130万の観客を集め、初の大ヒット作となった。その後、2009年の『ワイルド・スピード MAX』が約186万、2011年の『ワイルド・スピード MEGA MAX』が304万、2013年の『ワイルド・スピード EURO MISSION』が390万の記録を打ち立て、シリーズ最高の観客動員数を記録した。以降、『ワイルド・スピード』は韓国でも確固たる人気シリーズとして定着している。
他の国での実績も堅調で、北米では第一作が約2,000万以上、『ワイルド・スピード MEGA MAX』と『ワイルド・スピード EURO MISSION』はそれぞれ4,500万~5,000万以上が観られ、全世界累計では4億以上が劇場で鑑賞されている。

シリーズが支持を集める理由は、単なるレーシング映画から犯罪アクションやチームプレイ中心の物語へと進化した点にある。『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』以降、主人公以外のキャラクターが加わり、『ワイルド・スピード MEGA MAX』以降はチーム全体で挑むスタイルが本格化し、観客層も拡大した。特に『家族(Family)』というキーワードは、ドミニク(ヴィン・ディーゼル)が繰り返し強調する象徴で、アクションとともに感情や物語の深みを演出している。
韓国では自動車アクションがあまり馴染みのなかった中、『ワイルド・スピード』シリーズは素早かに大衆に受け入れられた。特に『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』は韓国系俳優サン・ガン(ハン役)の存在が親近感を呼び、『ワイルド・スピード MEGA MAX』以降、全作が興行成績上位に君臨している。
Netflixはこの知名度とファン層を背景に、変化するコンテンツ消費に対応する戦略を展開している。既存シリーズの再編成により、新規視聴者への入門と既存ファンへのリピート視聴を実現している。続編である『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』、『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』への流れを理解するためにも、今回の中盤作品は最適である。

『ワイルド・スピード』は、人物同士の絆とチームプレイによって他のアクションシリーズと一線を画す。単なるカーアクションを超え、登場人物間の信頼と絆がシリーズ全体を支え、『家族(Family)』という共通テーマがドミニクにより繰り返し強調される。これにより、視聴者は迫力あるアクションとともに、深い感情とストーリーに引き込まれる。
OTT市場が熾烈な競争下にある中、Netflixは根強い人気を誇るこのIPで視聴者の関心を引き続けようとしている。今回公開の6作品は、シリーズ初心者への入門として、また既存ファンへのリピート視聴として十分な内容であり、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』や『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』など続編の流れを理解する上でも有用である。
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