HYBE会長のパン・シヒョクが1,900億ウォン(約202億円)規模の不当利得疑惑に関して警察に出頭した。資本市場及び金融投資業に関する法律違反の容疑が本格的な捜査段階に入ったことで、エンターテインメント業界と金融市場の注目が集まっている。

ソウル警察庁の金融犯罪捜査隊は15日午前10時、パン・シヒョクを被疑者として呼び出し、調査を進めている。この容疑は、資本市場及び金融投資業に関する法律上の詐欺的な不正取引に該当する。警察は、パン・シヒョクがHYBEの上場前に投資家に対して新規公開株式の計画がないと虚偽の説明を行い、本人と連携した私募ファンドの特別目的会社(SPC)を通じて株式の取得を促した状況を把握した。
問題となったのは2019年のことである。当時、パン・シヒョクはベンチャーキャピタルなどの既存投資家に対して「上場計画がない」と伝えたとされる。しかし、金融当局はHYBEが既に上場前の手続きを進めていたと判断した。新規公開株式の計画がないと信じた投資家は保有する株式を売却し、その過程でパン・シヒョクと関連した私募ファンドが相当な利益を得たことが明らかになった。
警察は、パン・シヒョクが私募ファンドから株式売却差益の約30%を受け取る方式で、合計1,900億ウォンに達する利益を得たと見ている。資本市場及び金融投資業に関する法律違反が確認されれば、大規模な金融犯罪事件に発展する可能性が高い。

捜査当局は既に関連資料の押収に着手している。6月30日にはソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)の韓国取引所を押収捜索し、上場審査および株式取引資料を確保、7月24日には龍山区(ヨンサンク)のHYBE事務所に対して押収捜索が行われた。金融監督院の特別司法警察官も検察の指揮の下で別途捜査に参加している。
パン・シヒョクは先月6日、社内の従業員にメールを送り「個人的な問題が会社の障害とならないよう、すべての状況を説明し解決する」と述べた。しかし、警察への出頭により事件が本格的な司法手続きに入ったことから、今後の対応に注目が集まっている。
警察は、パン・シヒョクの具体的な陳述と押収された資料をもとに、犯行の構造と利益の規模を綿密に検討する予定だ。必要な場合、関係者の追加呼出しや口座の追跡も進める見込みである。今回の事件は単なる企業内部の問題に留まらず、資本市場の信頼に直結する事案であり、金融・産業全般に波紋が広がると予想される。
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