国内映画界を席巻する在日韓国人監督の映画がある。

まさに映画監督イ・サンイルの映画『国宝』が1,000万人の観客を突破したのである。
15日、輸入会社メディアキャッスルによると、『国宝』は公開102日で1,000万人の観客を突破し、興行収益142億円を上げるという快挙を成し遂げた。
国内歴代実写映画興行第2位
『国宝』の1,000万人突破は国内映画界の大記録だ。今回の興行で『国宝』は27年ぶりに『踊る大捜査線 THE MOVIE』(1998年)を超え、歴代実写映画興行第2位に躍り出た。
今後の興行推移を見ると、『国宝』が歴代実写映画興行第1位の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の興行収益173.5億円を上回ることも不可能ではない。
国内映画市場における歴代興行ランキングの上位は通常アニメが独占している。歴代興行ランキング10位内に入る実写映画は『タイタニック』や『ハリー・ポッター』など、極わずかである。
実写映画が100億円を超えることも極めて稀である。映画チケット代は通常2,000円前後で、韓国より高価なため、話題作でなければ劇場に観客が集まりにくい。『国宝』が1,000万人の観客を突破したのは、作品性と大衆性の両面を捉えた証左だ。

在日韓国・朝鮮人3世であるイ・サンイル監督
映画の大成功の背後には、イ・サンイル監督の特別なアイデンティティが存在する。1974年生まれの彼は日本で生まれた在日韓国・朝鮮人3世だ。彼の作品には、自身の韓国名を貫き、アイデンティティについての苦悩が込められている。彼は「もっとも日本的なものを通して、韓国人としてのアイデンティティを考えた」と述べていた。
今回の映画でも、主人公の喜久雄がヤクザ一家という背景のために社会から疎外される姿は、彼自身の人生を投影したものだという解釈もある。

まさに超豪華なキャスティングと製作陣
映画は、有名作家吉田修一 のベストセラー同名原作を基にしている。ヤクザ一家に生まれた主人公、立花喜久雄(吉沢亮)が運命のように歌舞伎の世界へ足を踏み入れることで繰り広げられる物語だ。
喜久雄は生まれ持った才能で最高の女形となる。しかし、時代の激動に直面し、ライバルの大垣俊介(横浜流星)とも競いながら、波乱万丈な人生を歩み続ける。
吉沢亮は喜久雄の劇的な人生を見事に表現したと称賛された。これに加え、横浜流星、渡辺謙、田中泯、そして映画『怪物』で注目を集めた子役の黒川想矢など、日本を代表するベテラン俳優たちが力を合わせ、作品の完成度を高めた。
さらに、映画『キル・ビル』の美術や『アデル、ブルーは熱い色』の撮影を担当した超豪華製作陣まで参加していることが明らかになり、多くの注目を集めている。

韓国の観客も期待、下半期に韓国公開予定
国内での熱狂的な反応は韓国のファンにも波及している。最近、『国宝』がカンヌ映画祭の監督週間に招待されたことで、韓国の興味は一層高まった。
韓国では今年下半期の公開が予告されており、映画は第30回釜山国際映画祭「ガラ・プレゼンテーション」部門を通じて初舞台を飾る予定だ。
『国宝』が日本だけでなく韓国でも興行旋風を巻き起こすか、その行方に注目が集まる。
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