『ドクスリ5兄弟をお願い!』でお茶の間劇場を感動と笑いで彩った俳優 アン・ジェウクが、デビュー31年目にして人生初の大賞を手にした。

11日,慶尚南道晋州市(キョンサンナムド・チンジュシ)の慶尚南道文化芸術会館で開催された「第16回コリアドラマアワード」は、まさに祭典の場であった。慶尚南道と晋州市が主催し、コリアドラマフェスティバル組織委員会が運営した本式典は、華やかなレッドカーペットイベントで幕を開け、俳優リュ・スンスとアナウンサーのキム・ミランの進行の下、約1,500名の観客が集い、世界のドラマファンの熱狂的な歓声に包まれた。
慶尚南道行政省のパク・ミョンギュン副知事、チョ・ギュイル晋州市長など主要関係者が出席し、式典の格を一層高めた。パク・ミョンギュン副知事は「コリアドラマフェスティバルは単なる表彰式ではなく、韓流文化交流の場であり、世界へ向けたK-ドラマ祭典プラットフォームである」と述べ、「晋州南江(ナムガン)流灯祭りとともに楽しいひとときをお過ごしいただきたい」と伝えた。
この日のハイライトは、何と言っても大賞発表の瞬間であった。司会者は大賞受賞者として俳優アン・ジェウクを指名した。予想に反し、アン・ジェウクは戸惑いの表情を浮かべた。司会者は続けて「KBS2TVの週末ドラマ『ドクスリ5兄弟をお願い!』で、ツンデレな面持ちのハン・ドンソク役を演じ、遅咲きながらも真摯な純愛を表現し、週末のお茶の間劇場に笑いと感動をもたらした。視聴率21.9%という高い数字と話題性を記録した、元祖韓流スター」と紹介した。

ステージに上がった彼は、一瞬言葉を失った後、口を開いた。「本当に予想していなかった、あまりにも大きな賞だ。僕が出演したドラマや演技を高く評価していただいたこと、心より感謝申し上げる」と述べ、「いくら努力しても視聴率を1%上げるのは非常に難しい。それでも諦めず、最後まで邁進できたのは、共に泣き笑い、力を合わせてくださった視聴者の皆様のおかげだ」と感想を語った。
さらに「大賞を受賞することはなかったものの、常に心の中で夢見ていた。今日、その夢が叶った」と述べ、「第二の大賞に向けてさらに努力していく」と付け加えた。彼の率直な告白に、会場は拍手と歓声に包まれた。
アン・ジェウクは式典後、個人チャンネルを通じてトロフィーの証明写真を公開し、「本当に予想していなかった、こんなに大きな賞をいただけるとは……全てはファンの皆様のおかげだ。落ち着いたら、改めて感謝の気持ちを伝える」とメッセージを残した。

彼が大賞を受賞した『ドクスリ5兄弟をお願い!』は、8月に幕を閉じたKBS2週末ドラマで、家族愛と世代間の葛藤を愉快かつ温かく描き、絶えず愛され続けた。最終回は全国世帯基準で視聴率21.3%、分時最高視聴率23.4%(ニールセンコリア基準)を記録し、見事な仕上がりとなった。特に放送期間中、2か月連続で「韓国人が最も好きな番組」1位に輝き、グローバルプラットフォームで話題の中心にあった『イカゲーム』さえも凌駕した。
主演として作品を牽引したアン・ジェウクは、デビュー31年目の経験を活かし、家族ドラマへの深い思いを表現した。彼は劇中で5兄弟の長男役を演じ、冷静な現実感覚と温かい家族愛の間を行き来する、情のこもった演技を披露した。彼の歩んできた道そのものもまさに一編のドラマであった。1994年のデビュー以来、『星に願いを』など数々のヒット作を生み出し、元祖韓流スターとして称えられてきたが、今回の受賞はその長い年月にわたる真剣な努力の結晶であった。
当日の式典では、アン・ジェウクの大賞のほかにも様々な作品が輝いた。作品賞はSBS『私たちの映画』が受賞し、今年最も愛されたドラマとしての地位を確固たるものにした。
式典はYouTubeを通じて全世界に生中継され、現地に参加できなかったファンも一体となった。特に生放送の画面を通して、俳優たちの輝く笑顔と観客席の熱い反応がそのまま伝わり、韓流の中心としてのK-ドラマの実力を証明した。

今年で16回目を迎えたコリアドラマアワーズは、10月10日から19日まで開催される「コリアドラマフェスティバル2025」の代表プログラムである。地上波、ケーブル、OTTなど多様なプラットフォームのドラマを網羅し、名実ともに大韓民国を代表する表彰式としての地位を確立している。
そしてその日、式典会場は感慨深い笑顔とともに静かにざわめいた。デビュー31年ぶりに初めて大賞を手にした俳優アン・ジェウク。その受賞は単なる栄誉を超え、長い年月を静かに自己の道を歩んできた俳優にとっての「真の瞬間」であった。
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