俳優キム・ヒャンギが主演を務める映画『済州島四・三事件ハラン』(以下『ハラン』)が、来る11月の公開を確定し、観客との出会いを予告した。1948年済州(チェジュ)を背景にしたこの作品は、時代の渦の中で生き残るための母娘の旅と生存の記録を描いている。

公開されたポスターは、森の道を歩く母娘の後ろ姿を捉えている。ボロボロの服と藁で編んだ笠をかぶった二人は、お互いの手をしっかりと握っている。この画像一枚だけでも、当時の時代背景と絶望の中でも消えない生命力を象徴的に伝えている。ポスターの文句「1948年済州、山と海を渡った母娘の生存の旅」は、映画のテーマを明確に圧縮している。
映画はハ・ミョンミ監督がメガホンを取り、キム・ヒャンギをはじめ、俳優キム・ミンチェ、ファン・ジョンナム、キム・ウォンジュン、チェ・スンジュンなどが出演した。『ハラン』は9月、第30回あいち国際女性映画祭に招待され、韓国公開前から熱い関心を集めていた。

キム・ヒャンギは済州の海女として、娘ヘセンのためにどんな危険も厭わない強い母親アジン役を務める。娘ヘセン役は新鋭俳優キム・ミンチェが演じる予定で、繊細な演技とキム・ヒャンギに似た容姿で観客に深い印象を与えると予想される。
タイトル「ハラン(寒蘭)」は、冬にも咲く蘭を意味する。これは映画が伝えようとするメッセージを象徴的に表している。過酷な時代の中でも折れずに咲く生命、そして絶望の中でも互いを支える愛の力。映画はその微妙な感情を繊細な視点で捉え、観客に重い余韻を残すことが期待される。
映画『ハラン』は11月に韓国の劇場で公開される。冬の漢拏山(ハルラサン)のように冷たい中で咲く一輪の蘭の生命力を描いたこの映画は、2025年下半期の韓国映画界で最も叙情的な問題作として期待を集めている。
▶ 国民の子役、キム・ヒャンギ
主演俳優キム・ヒャンギは幼少期から演技活動を始め、着実にフィルモグラフィーを拡大してきた。年齢に対して高い演技力で、子役時代から頭角を現していた。
彼女は今回の作品を通じて、再び深い感情表現を披露する予定だ。子役時代から培った確かな演技力をもって、映画『無垢なる証人』やドラマ『不思議の国の数学者』などを通して、温かくも強いキャラクターを完成させてきた。今回の『ハラン』では、極限の状況下においても人間性を失わない人物を描くことで、新たな変身を予告し、期待を集めている。
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