俳優ナム・ポドン(本名:キム・クァンイル)が死去した。享年81。
23日、スポーツ朝鮮が単独で報じた。
故人は生前、肝がんと闘病しており、2009年に肝がん末期と診断され、弟から肝臓移植も受けていた。
ナム・ポドンは2人の娘と最期の別れを交わし、23日午前5時10分頃に息を引き取ったという。
葬儀場は議政府(ウィジョンブ)乙支大学病院葬儀場5号で、出棺は25日正午、埋葬先はソウル市立昇華院だ。
故ナム・ポドンは1970年代から90年代にかけて、映画作品で見せたコミカルな演技で注目を集めた。1965年『僕も恋愛できる』でデビュー後、数多くの作品で名脇役として存在感を発揮し、その後『鯨とり』『ツー・コップス』『クレメンタイン』『感動注意報』『オ博士家の人々』など、数百本の作品に出演した。

「沈黙の臓器」と呼ばれるほど症状がほとんどない肝がん
肝がんは肝臓に発生する悪性腫瘍で、初期症状がほとんどなく、早期発見が難しい。主に慢性肝炎や肝硬変などの基礎疾患を持つ患者に発症し、B型・C型肝炎ウイルス感染、過度の飲酒、肥満、糖尿病などが危険因子とされる。肝臓は損傷や疾患に対し自覚症状が出にくいため、がんが進行するまで異変に気づかないケースも多い。
肝がんの初期は症状がないものの、進行すると疲労、体重減少、食欲不振、腹部膨満、右上腹部の痛み、黄疸などが現れることがある。血液検査ではアルブミン低下、ビリルビン上昇、肝酵素値の異常などが確認され、画像検査や組織検査で診断される。特に慢性肝炎や肝硬変の高リスク患者には、定期的な超音波検査や血液検査による経過観察が推奨されている。

肝がんの治療は病期や肝機能に応じて、肝切除、肝移植、ラジオ波焼灼、塞栓術、放射線治療、分子標的薬、免疫療法など多岐にわたる。早期発見できれば手術や局所治療によって完治が期待できる場合もあるが、進行した肝がんは治療が難しく、生存率も低下するため、早期発見と予防が極めて重要となる。
肝がんの予防には、B型・C型肝炎の予防接種、定期的な肝臓検診、禁酒または節酒、体重管理、バランスの取れた食生活が不可欠だ。特に慢性肝疾患を持つ人は、定期検診を欠かさず、肝臓の健康を守る生活習慣が肝がんリスクを下げる鍵となる。
肝がんは治療や管理が難しい疾患だが、危険因子の管理と定期的な検査によって早期発見は可能だ。自身の肝臓の状態を定期的に確認し、専門医と相談しながらケアすることが重要とされている。
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