ハ・ジョンウ監督の4作目となる演出作『上の階の人たち』が青少年観覧不可(19禁)という不利な条件にもかかわらず、興行ランキング上位に入り注目を集めている。

映画振興委員会・映画館入場券統合ネットワークによると、12月5日から7日までの期間に『上の階の人たち』は韓国全国で12万9,650人を動員した。累計観客数は18万5,843人となり、公開直後にボックスオフィス3位でスタートし、最初の週末を2位で終えた。

特に7日だけで5万929人を記録し、年末の洋画中心の劇場ラインナップの中で、数少ない韓国映画として存在感を示している。全体1位となったディズニーアニメ『ズートピア2』(7日観客数49万9220人)とは大きな差があるものの、韓国映画としては十分に意味のある成績だ。現在、ボックスオフィス上位10本のうち韓国映画は『上の階の人たち』のほか『情報員』と『コンクリート・マーケット』のみで、いずれも観客の反応は鈍い状態が続いている。
ハ・ジョンウ監督の演出力が際立つ今作は、破格の題材を軽妙に描いたブラックコメディだ。19禁というハンデに加え、上映回数や座席数で洋画に比べ不利な環境ながら観客を着実に集めている。
ストーリー:心地よくも不穏な予測不能の夜食会

『上の階の人たち』は毎晩聞こえる不審な騒音をきっかけに、上の階の夫婦と下の階の夫婦が同じ食卓を囲むことになり、そこで一夜の真実ゲームが繰り広げられていく物語だ。
上の階の夫婦役としてハ・ジョンウとイ・ハニ、下の階の夫婦役としてコン・ヒョジンとキム・ドンウクが出演する。単なる誤解から始まった食事の席は、会話が深まるにつれ思わぬ感情や過去があらわになり、夫婦の本音と隣人関係の境界が揺らぎ始める。
『上の階の人たち』は性的ニュアンスを軽快な言葉遊びで表現しながら、単なるコメディを超えて人間関係への洞察と心理の深層を巧みに描く。「29禁のセリフに0禁の映像」という表現の通り、露骨なシーンがなくても成熟した笑いとビターな共感を引き出す点が観客の支持を得ている。
映画を観た観客からは多様かつ肯定的な反応が寄せられている。
「これぞ本当の19禁映画…セリフは際どいのに内容は意外と真面目で面白い」「ハ・ジョンウ特有の言葉の旨味が炸裂。笑っていたのに急に真顔になるあの空気感が絶妙」「19禁どころか29禁レベル」「コン・ヒョジンが本気で怖いほど上手い。夫婦の演技なのにリアルすぎてゾッとした」「露出なしでこんなエロい映画を作るとは驚き」「笑えるのに不穏で、不穏なのに思想的。こういう映画を待っていた」「一つひとつのセリフが現実味ありすぎて没入感がすごい」「これを性コメディだけで括るのは浅い。会話劇そのものが核心」といったコメントが並び、作品の独創性と完成度を評価する声が多い。
12月8日2時現在のボックスオフィス順位は以下の通りだ。
1位『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』 予約率35.8%
2位『ズートピア2』 予約率26.4%
3位『上の階の人たち』 予約率4.5%
4位『ルックバック』 予約率3.4%
5位『ポロロ劇場版スイートキャッスル大冒険』 予約率3.0%
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