ピンデトク(緑豆チヂミ)は、その油分が胃や肝臓の粘膜を保護し、酒を飲む前に身体を自然に「コーティング」する役割を果たす。
味付けや香りが強すぎず、基本的にアルコール分解を助けるタンパク質を使ったつまみであり、肝臓を保護する効果が期待できる食べ物といえる。
雨が降ると食べたくなる香ばしいピンデトクは、もともと貧しい人々が食べていた油っぽい料理だとされる。
ピンデトクは、もともと祭壇や教者(接待用の膳)に供えられる油で揚げた肉を高く積む際、その下に敷く土台として使われていた。当時のピンデトクは現在よりも小さなサイズだったという。その後、貧しい人々の食べ物に変わり、名前も「貧者餅(ピンジャトク)」と呼ばれるようになり、大きさも大きくなった。
また、ソウル市の貞洞(チョンドン)地域は昔、「ビンデゴル(빈대골)」と呼ばれたほどダニが多かった。この地域で「貧者餅」を売る商人が多かったことから、これがピンデトクの語源になったという説もある。
緑豆を石臼で挽いて作るピンデトクは、ひき肉にした豚肉やもやし、山菜(ワラビなど)を加えることで、香ばしさと噛み応えを引き立てている。
ピンデトクを焼く際は、油をたっぷりと敷き、弱火でじっくり焼くのがコツだ。そうすることで、外側はカリカリ、中はしっとりとした食感を楽しむことができる。また、食用油の代わりに豚のラードを溶かして使えば、さらに香ばしく旨味が増す。
こんがりとした色合い、香ばしい香り、湯気が立ち上る焼きたてのピンデトクは、見るだけで食欲をそそる。昔の歌に登場するように、ピンデトクは昔から貧しい人々が焼いて食べる料理とされてきたが、現在ではかなり高級化され、特別な料理として扱われるほど貴重なものとなった。そのため、最近ではピンデトクを専門に扱う飲食店が増え、その人気も高まりつつある。
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