年末年始は、ショッピングにぴったりの時期である。一年を締めくくり、新年を迎える自分や知人へのプレゼントを買ったり、単に年末年始のセールを狙って買い物したりするからだ。だが、何も考えずにショッピングした場合、衝動買いしてしまうリスクが高まるため注意が必要である。
去る16日(現地時間)米健康医学メディア「メディカルエクスプレス」の報道によると、空腹や疲労、孤独感、ストレスを感じている時にショッピングをすると、衝動買いのリスクが高まるという。
また、百貨店やショッピングセンターの閉店直前や、オンラインセール開始直前に焦ってショッピングをした場合にも、衝動買いや過剰消費の確率が高くなるということが明らかになった。
ハーバード大医学部のベス・フレイツ准教授は「ショッピングが、快感と報酬に関連している神経伝達物質のドーパミンを得る手段になってしまうと、衝動買いや過剰支出につながる可能性が高くなる」と指摘した。「特に、大規模なセールやプレゼントを贈らなくてはならないという義務感などは、年末年始のショッピングにおいて危険な罠となり得る」と警告した。
衝動買いや過剰支出を避けるには、ショッピングをする前に自己管理をすることが重要である。フレイツ准教授は「栄養バランスの整った食事をし、7〜9時間の十分な睡眠、散歩などの運動、友人との交流、瞑想やヨガ、マインドフルネスなどのストレス解消法を通じて心身の調子を整えることが大切である」とアドバイスした。
ショッピングを始める前に、4-7-8呼吸法などの深呼吸をすることでストレスを解消すると良いという。商品を購入する際には、本当に必要かどうか一度考え直してみることが大事だという内容も明かした。
また、予算を設定したり、ショッピング時間を制限することも過剰消費の防止に効果的だという。そうすることで、ドーパミンに左右されない消費を心がけつつ、ショッピングを楽しむことができるからだ。また、買い物後は、お金をかけずに心理的満足感を得ることのできる活動をしてみることが大切なのだという。
例えば、散歩や友人との時間、趣味活動などである。これらは、より健康的な方法で脳のドーパミン欲求を満たすことができるのだ。
アリゾナ大学のディエゴ・ゲバラ・ベルトラン博士は「年末年始に行なわれるプレゼント交換は異教徒の祭りに由来するが、他者と分かち合いたいという欲求は人類の歴史と同じくらい古くからあるものだ」と述べた。
先行研究によると、ストレス下でのショッピングは「闘争-逃避反応」などの生理的反応を引き起こす可能性があるという。心拍数の増加、筋肉の緊張、血圧上昇、呼吸の乱れなどが生じるとし、また財政的な制約による心理的プレッシャーを感じることもあるということが伝えられた。
年末年始は、多くの選択を迫られる時期である。しかし、脳の意思決定能力には限界があり、多くの決断を一度に下した場合、疲労感を感じやすく、その結果、自制心や対処能力が低下してしまうのだという。
長い列に並んで待ち続けたり商品が品切れになったりした場合失望感を感じてしまうのだが、このような障害物にぶち当たった時、ストレスを受けやすくなるのである。また、決められた時間内にショッピングを終えなくてはならない時に感じるストレスは、闘争-逃避反応を著しく高めてしまう可能性があるという。脳は、時間の制約を緊迫感や脅威として認識するからだ。
フレイツ准教授は「多くの人々が、ショッピングシーズンを純粋に楽しんでいるわけではないのだ。買い物や義務的なプレゼントにストレスを感じている人も少なくないだろう」と指摘した。そして「マインドフルネスなどのストレス解消法を積極的に活用することで、より幸せで健康的な年末年始を過ごせるはずだ」とアドバイスした。
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